養護教諭(保健室の先生)の仕事内容

学校全体の健康管理

養護教諭とは、いわゆる保健室の先生のことです。保健室での応急処置だけではなく、学校全体の保健の管理を行なっています。専門的な立場からすべての児童や生徒の保健、環境衛生の実態を的確に把握しなければなりません。

「養護学校教諭」という名称に似ていますが、こちらは知的障害や身体的な障害を抱える児童・生徒が学ぶ学校である「養護学校」の教諭を指しています。

養護学校は、盲学校や聾学校と区別されていましたが、2007(平成19)年4月から名称が一本化され、現在は「特別支援学校」と呼ばれています。よって、養護学校教諭も「特別支援学校教諭」という名称の資格になります。
特別支援学校教諭の仕事

養護教諭の主な業務

養護教諭は主に下記のような業務を担当します。

<救急処置>
ケガや病気の生徒の救急処置を行います。養護教諭は医師ではないため、治療行為を行うことは許されていません。そのため、症状が深刻な場合には、担任や校長の許可を得て、保護者に連絡の上、病院に連れていきます。

<学校環境衛生調査>
水質検査や空気検査など、さまざまな箇所をチェックし、学校内の衛生状態に問題がないかを確認します。

<保健指導>
病気やケガの予防について、担任と協力し、授業やホームルームなどで指導を行います。

たとえば、6月の「虫歯予防デー」に合わせて歯の磨き方を全校集会で確認したり、風邪のはやる時期には手洗い・うがいの励行を呼びかけるといった指導を行ないます。

性教育についても、担任や体育科の教員とティーム・ティーチングで授業をすることがあります。

<健康診断の管理>
学校内の健康診断の計画立案や準備を行います。また、食事・睡眠といった生活リズムや歯磨きの習慣などの調査をしたりします。

<保健室相談>
保健室を訪れる生徒の相談に応じます。身体に関することだけでなく、心に関する相談も増えてきており、カウンセラー的な役割も必要となっています。

学校生活の中で注意することを教えたり、健康面での問題によって不利益な事柄が生じないようにアドバイスをすることもあります。

たとえば、持病があって激しい運動ができない児童・生徒は教科担当の教員に体調について報告するように勧め、周囲の子どもたちも理解できるように折に触れて説明するなど、病気を抱える児童・生徒が安心して過ごせるような働きかけをするのです。

児童・生徒の心を守る先生

いじめによって心を深く傷つけられ、尊い命を自ら絶つという悲劇は後をたちません。

文部科学省の「保健体育審議会答申」では、養護教諭の新たな役割として次のように述べられています。

「養護教諭は、児童生徒の身体的不調の背景に、いじめなどの心の健康問題がかかわっていること等のサインにいち早く気付くことのできる立場にあり、養護教諭のヘルスカウンセリング(健康相談活動)が一層重要な役割を持ってきている(一部抜粋)」。

現在でもいじめは根絶にいたっておらず、苦しい胸のうちを養護教諭に語る児童・生徒は少なくありません。また、何らかの原因で教室に入れないため保健室で学習する、いわゆる「保健室登校」の子どももいます。

こうした児童・生徒たちの気持ちに寄り添い、彼らが学校生活を楽しめるように支援することも、養護教諭の大切な仕事の一つです。