養護教諭(保健室の先生)の年収・給料は高い? 手取り額や初任給についても解説

養護教諭の給料は、公立学校に勤務する場合、自治体ごとに定められている地方公務員の給与体系に沿うものとなります。

私立学校では各地域の公立学校の給与水準と同程度としている場合が多いですが、学校によって違いがあるのが特徴です。

年齢が上がって経験を積み、勤続年数が長くなれば昇給も期待できます。

ここでは、養護教諭の年収について詳しく解説していきます。

養護教諭の平均年収・給料の統計データ

養護教諭の平均年収・月収・ボーナス

求人サービス各社の統計データ

職業・出典 平均年収 年収詳細
養護教諭
(Indeed)
- 月給:20.3万円
日給:1.4万円
時給:1,306円
養護教諭
(求人BOX)
318万円(正社員) 月給:27万円
時給:1,309円(派遣社員)
時給:1,003円(アルバイト・パート)
養護教諭
(転職ステーション)
319.5万円 -
養護教諭
(給料バンク)
370万円~485万円 20代:21万円
30代:32万円
40代:38万円
初任給:21万円

養護教諭の平均年収は、300万円~400万円程度がボリュームゾーンとなっています。

ただし、これには正社員や常勤だけではなく、アルバイト・パートや非常勤で働く人も含まれています。

常勤として公立学校や私立学校に勤務すると、年収400万円以上を得ることも可能です。

養護教諭の手取りの平均月収・年収・ボーナスは

各社の統計データをもとに算出すると、養護教諭の平均年収は300万円~400万円前後になるとみられます。

やや幅があるのは、養護教諭は雇用形態がさまざまであることと、勤務先によっても給料に違いが出てくるからでしょう。

公立学校で働く場合は、他の地方公務員と同様に自治体ごとに給料が定められ、一般の教諭と同程度の収入を得ることができます。

年齢が上がって、勤続年数が長くなれば昇給も期待できます。

手取りは地域や学校によっても異なりますが、20代のうちは20万円~25万円程度となる人が多いです。

公立学校の正規教員であればボーナスは年に2回支給され、安定した収入が見込めます。

養護教諭の初任給はどれくらい?

養護教諭の初任給は、公立学校で働く場合、配属先の学校がある自治体や学歴によって変わります。

それぞれの都道府県の初任給には「給料月額」「教職調整額」「地域手当」「義務教育等教員特別手当」などが含まれています。

このほか、「扶養手当」「住居手当」「通勤手当」「期末・勤勉手当(いわゆる「ボーナス」)」などが支給されます。

養護教諭の初任給の例

A県

新卒者が県内の小・中・高校に採用された場合
大学卒 約242,500円
短大卒 約220,800円

B県

小・中・高校に採用された場合
大学卒 215,480円
短大卒 191,195円
短大卒で高校に勤務する場合 188,430円

C県

国立大学付属小学校あるいは付属中学校に養護教諭として勤務する場合 
大学卒 226,863円

養護教諭の福利厚生の特徴は?

公立学校に勤務する養護教諭は、一般の教諭と同じく「地方公務員」の身分になります。

具体的な福利厚生の内容は自治体によって異なりますが、地域手当、扶養手当、住居手当、通勤手当など、さまざまな手当が用意されています。

休暇制度については有給で取得できる年次休暇、特別休暇、病気休暇、介護休暇などがあります。

正規雇用であれば、待遇面についてはさほど心配はいらないでしょう。

ただし、養護教諭は1つの学校に一人しか配属されないことが一般的であり、精神的な負担を抱え込みやすいなどの大変さもあります。

一方、私立学校の場合、学校によって福利厚生の内容には違いがあります。

公立学校と同程度としているところが大半ですが、勤務先や雇用形態によっては事情が変わってくることも考えられます。

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養護教諭の給料・年収の特徴

公立学校に勤務する場合

公立学校に勤務する場合の給与は、「地方公務員法」の下で、その職務と責任に応じた金額が定められます。

具体的な金額は「給料表」によって算定され、職務の複雑さや難易度、責任の度合いによって区分されます。

また、職務経験年数による習熟度も給与に反映されます。

なお、養護教諭の免許状は、一般の教諭のように学校種(小学校・中学校・高校など)による免許状の違いはありません。

そのため、自治体によっては学校種を超えて異動になることもあり、同じ経験年数でも配属先によって給料が変わる場合があります。

私立学校に勤務する場合

私立学校に勤める養護教諭の給料は、勤務先や雇用形態、経験、能力などによって変わります。

正規雇用であれば、経験が浅くても安定した収入は見込めるでしょう。

同じ学校で長く勤めたり、役職がついたりすると、公立学校の教諭よりも多くの収入が得られるケースもみられます。

ボーナスの支給有無については学校によって異なり、たいていは公立学校と同程度の水準とされますが、学校の経営状況や能力などによって金額が大きく変動する可能性もあります。

養護教諭の正社員以外の給料・年収

非常勤講師

非常勤講師は、1日のうちの数時間だけ、あるいは週に2~3日だけ、と決められた時間のみ養護教諭の仕事に携わります。

たとえば、正規雇用の養護教諭が育児のために時短勤務を希望したときなど、正規教諭が不在の間の保健室運営を行います。

非常勤の場合、任用期間は短い場合が多いため、次の仕事がすぐに見つからないと生活に不安が出る可能性があります。

非常勤講師の給与は時給制が基本となっており、公立学校ではボーナス(期末・勤勉手当)などの各種手当はつきません。

臨時職員

臨時教員は、養護教諭が産休などにより長期で休業する際に保健室運営を行います。

正規雇用の養護教諭と同じように保健室に常駐して、代替する先生と同じ業務を担います。

公立学校の常勤で働く臨時講師の場合、勤務時間や給与などは正規教員に準ずる場合が多いです。

非常勤講師とは異なり、期末・勤勉手当(ボーナス)や扶養手当などの各種手当もつき、健康保険などにも加入できます。

任用期間は、自治体やそれぞれの状況により非常勤より長く働ける場合も多いですが、採用された年度内に限られることもあります。

非常勤講師よりは給与や待遇面で恵まれているといえますが、正規雇用に比べると、どうしても不安定な働き方となります。

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養護教諭が収入を上げるためには?

養護教諭として少しでもよい収入を得たいのであれば、正規採用を目指すのがよいでしょう。

公立学校の養護教諭採用試験は、募集人数が少ないことから倍率が高くなりがちなので、試験対策をしっかりとしておくことが重要です。

無事に採用されたら、実務を通じていろいろなことを覚えたり、外部の講習会や研修に参加したりしながらステップアップを目指しましょう。

年齢や経験年数が上がるごとに給料も少しずつ増え、さらに本人の熱意と努力次第で、将来的には教頭、校長などの管理職を目指すことも可能です。

ただし、管理職になるには、大学で1種免許状、あるいは大学院で「専修免許状」を取得しておくほうがよいとされています。

私立学校に勤務する場合も、常勤や正社員としての採用を目指すのが一番ですが、臨時講師して採用され、実績によっては常勤や専任雇用に昇格する例もあるようです。

日々の地道な努力と、経験・実績を積んでいくことが、収入アップのポイントになります。

養護教諭の年収・初任給のまとめ

養護教諭の年収や初任給は、地方公務員に準ずるか、または同程度とされることが大半で、安定した収入が見込めます。

ただし、非常勤講師や臨時職員として働く場合は、不安定な雇用から収入面で不安を抱えることもあります。

他の種類の教諭と比べると圧倒的に求人数が少ないため、正規採用され、勤続していくことが収入アップへのポイントです。