女性の養護教諭のキャリアパス・結婚後の生活

女性の養護教諭の現状

養護教諭は圧倒的に女性がなることが多い職業です。

男性では養護教諭になれないというわけではありませんが、日本全国の多くの自治体で女性の養護教諭の姿が目立ち、男性の割合は1割にも満たないとされています。

この背景には、古くから「保健室の先生は女性」という価値観が根付いていることや、児童・生徒たちが女性の先生に対してのほうが体や心の悩みを相談しやすいといったことがあるようです。

そして、養護教諭を目指す人もやはり女性のほうがずっと多いため、自然と女性の採用者が多くなっている現状です。

養護教諭は、多くの学校で一人だけの配置となっているため、全国的に見ても採用人数がさほど多いわけではありません。

しかし、先に挙げた理由などから女性の需要が大きく、また女性にとって活躍しやすい職業といえます。

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女性の養護教諭の強み・弱み

女性の細やかさ、気遣いが生かせる

さまざまなトラブルや悩みを抱えた子どもたちと日々触れ合う養護教諭には、「思いやり」や「心の温かさ」などが求められます。

児童・生徒が病気やケガをしたときに、いつでも優しく受け入れて適切に対処することはもちろん、もし子どもが学校生活や家庭生活での悩みを打ち明けてきたときには、しっかりと向き合って話を聞くことが大切です。

いつも笑顔で明るい雰囲気をまとった養護教諭であれば、子どもも安心して心を開くことができるはずです。

また、言葉には表さない子どもの変化や異常に気付くことも養護教諭の大事な役割のひとつなので、細やかな気遣いができる人であれば、その特性を存分に生かすことができるでしょう。

男性でも養護教諭の適性を持つ人はもちろんいますが、女性ならではの温かさや柔らかさが強みとなる場面はたくさんあります。

冷静さや強い心も持っていなくてはならない

養護教諭は温かな心を持っている必要がありますが、その一方で、強さを持ちあわせていなくてはなりません。

それというのも、養護教諭の業務範囲は幅広く、また児童・生徒の命に関わる役割も担っているからです。

急な病気やケガの応急処置を間違えれば大変なことになるかもしれませんし、養護教諭の冷静な判断が子どもの命を救うこともあり得ます。

また、養護教諭は健康や保健の専門家として、他の教諭たちに指導やアドバイスをすることもあります。

仕事に誇りとプライドを持って、しっかりと役割をまっとうする気持ちが欠かせません。

なお、養護教諭は大規模校等を除いて各学校に一人だけ配置されるケースが多いため、職場に同じ立場で働く人がおらず、ちょっとした仕事の悩みや不安などを同僚には相談しにくいところがあります。

女性は周囲と同調して働きたいタイプの人も多いようですが、養護教諭として働く場合、自分一人で考えて行動しなくてはならない場面も多く出てくるでしょう。

養護教諭の結婚後の働き方・雇用形態

公立学校で正規で働く養護教諭は日々忙しく仕事をしていますが、結婚後もそのまま仕事を続ける人は少なくありません。

公務員としてのさまざまな待遇もありますし、安定した収入を得続けたいという場合は、やはり正規雇用で働くのが最もよい選択肢となるでしょう。

もしフルタイム勤務は難しいということであれば、あえて非常勤講師として働く道を選ぶことも可能です。

非常勤講師は、1日のうちの数時間だけ、あるいは週の何日間だけ保健室にて養護教諭の仕事に携わることができます。

任用期間は短く、給与も時給制で常勤に比べて不安定な雇用形態にはなりますが、結婚後の養護教諭の働き方のひとつとして検討してもよいかもしれません。

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養護教諭は子育てしながら働ける?

出産関連の制度としては、出産前から出産日、そして出産後に一定期間の休業ができる「産休」があります。

その間、賃金は出勤しているときと同額を支給されます。

子どもが産まれると、いわゆる「育休」を取ることができます。

これは「地方公務員の育児休業等に関する法律」に定められていて、養護教諭を初めとする正規採用の女性地方公務員は、申請により子どもが3歳になるまで育児休業を取得できます。

育休中は給与が出ませんが、加入している共済組合から育児支援として、子どもが1歳を過ぎる頃まで一定の金額が支給されます。

また、育児中は就業時間を短縮して勤務することも認められています。

産休・育休中はもちろん、短時間勤務の場合も代替講師が保健室にて指導を引き継ぎます。

こうした制度を活用すれば、子育てと仕事を両立させていきやすくなるでしょう。

養護教諭は女性が一生働ける仕事?

養護教諭は女性が活躍しやすい職業のひとつといえ、今後も情熱を持った養護教諭がたくさん現場に出てくることが待ち望まれています。

しかし、もし将来的に結婚・出産ということを考えるのであれば、家族の協力・理解も必要になってくるでしょう。

いくら休みやすい職場環境があるといっても、健康診断当日などどうしても出勤しなければならない日や、修学旅行の引率で出張しなければならないといったことも出てくるものです。

そんなとき、家族で支え合う体制ができていれば安心できますし、もし家族以外にも支えてくれる存在があれば心強いでしょう。

最近では、厚生労働省が推進する、各自治体の「ファミリー・サポート・センター事業」なる支援体制が確立しつつあります。

この事業では、子育て中の女性が会員となり、援助したいと希望する人に保育園終了後あるいは学校の放課後に子どもを預かってもらう等の支援をしてもらうことができます。

このようなサポートも活用しながら、養護教諭として長く働きつづけて管理職になるなどキャリアアップしている人もいます。