薬剤師の現状と将来性

薬剤師も厳しい時代へ

薬剤師と言うと「専門性が高くて給料も高く、売り手市場の職業」というイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。

実際に今まで、薬剤師は資格を取ることができればあとは就職に困ることは少なく、安定した人生を送ることができる職業の代名詞でもありました。

しかし、近年この状況が大きく変わり始めています。これからは「薬剤師の就職難の時代がやってくるかもしれない」と言われているのです。

需要を供給が上回る!?

理由のひとつは、全国的に薬剤師の需要が減りつつあることです。医療現場でのカルテや処方せんの電子化が進むほど、薬剤師が自分の手で行ってきた入力作業もどんどん簡略化されていきます。

さらに、規制緩和の流れで薬局以外のコンビニやネット上での医薬品販売が普及するようになれば、薬局での対面販売も少なくなります。

薬の種類によっては、薬剤師ではなく「登録販売者」という資格があれば販売できるようにもなってきています。こうした時代の変化から、薬剤師の正規雇用を抑える病院や薬局も増えてきました。

一方で、薬剤師をめざす人の数は増え続けています。2004年頃から私大の薬学部開設が相次ぎ、かつては46校だった薬学部の設置大学が74校にまで急増しました。

2010年以降、新設された大学(6年制)の卒業生がぞくぞくと社会に出ることになるため、就職活動においては厳しい内定争奪戦が繰り広げられるのではないかと考えられています。

薬剤師の需要が減ってしまうなかで、供給は増え続けるというのが、これからの時代なのです。2013年現時点では薬剤師の就職難は問題にはなっていませんが、10年後、20年後には薬剤師業界全体にとっての大きな問題になる可能性があります。

ただし、地方においては薬剤師はまだまだ足りない状況であり、今後も需要が見込めるかもしれません。

薬剤師をめざす人は、資格さえ取れれば安泰と考えるのではなく、今後の薬剤師業界の情報にしっかり注目することが大切です。