薬剤師によるフィジカルアセスメント

フィジカルアセスメントとは

「フィジカルアセスメント」とは、患者さんの血圧や脈拍、呼吸数、体温などの身体的情報(バイタルサイン)を測定して集め、その情報を評価することです。

病院や調剤薬局、ドラッグストア、また在宅療養の場で、薬剤師がフィジカルアセスメントを行うことで、薬による副作用の発生を防止したり、薬物療法の効果を予測するなどのメリットが期待されます。

薬剤師によるフィジカルアセスメントの現状

一般的にフィジカルアセスメントは医師によって行われる行為であり、薬剤師によるフィジカルアセスメントはこれまで行われてきませんでした。

しかし、2010年の厚生労働省の通知により、薬剤師によるバイタルサインの収集とフィジカルアセスメントは、「医師でなければ医業をなしてはならない」とする医師法の規定に抵触するものではないとされるようになりました。

一方、薬剤師法では「調剤した薬剤の適正な使用のために必要な情報を提供しなければならない」と規定されています。

ここでの「必要な情報」には副作用情報も含まれますが、薬に関する副作用情報を提供するうえでもフィジカルアセスメントが有効であると考えられるようになり、徐々に広がり始めています。

実際には、薬剤師によるフィジカルアセスメントは、医師や看護師など他の職種や患者さんから広く認められているとはいえません。

フィジカルアセスメントの導入にあたっては、周囲に十分な説明を行って理解を得たうえで、連携しながら実施していくのが重要とされています。

フィジカルアセスメントの修得

現在、6年制の薬学部では、すでに授業の一環としてフィジカルアセスメントが組み込まれているところもあります。

模擬薬局などでモデル人形を用い、ベッドサイド実習として実施されているようです。

また2010年以降、各地で薬剤師を対象としたフィジカルアセスメントの講習会が数多く開催されるようになりました。

そうした講習会では、各診療科の医師を講師として、フィジカルアセスメントの基本的な実技実習や、皮膚科や循環器科・精神神経科領域での副作用の見方、嚥下レベルに合わせた服用形態などに関する講義が行われます。