和裁士の仕事内容

和裁士という仕事を聞いたことがあるでしょうか。簡単に言えば和服の仕立てや直しをする職業です。どのような仕事内容なのか、具体的に見ていきましょう。

反物から和服を仕立てる仕事

和裁士は一枚の長い布である反物を、立体感のある人間が着る和服に仕立てます。言わば2次元のものを3次元のものに変身させる仕事です。和裁士の仕事は、基本的にはミシンなどの機械は使わず、手縫いの仕事になります。

新品の仕立ては以下のような手順で行われます。
・依頼人から預かった反物をまず検反します。反物に大きなほころびや傷がないか、チェックします。

・次に、仕立てをする際に、身頃や襟などの合わせ目の柄が一致するように柄合わせをします。

・柄合わせの結果をもとに、反物を裁断していきます。

・縫いしろを決め、印つけをします。

・印つけに沿って本縫製をしていきます。

依頼人から預かった反物を使うため失敗が許されず、とても気の張る作業と言えます。

お直しの仕事

体型が変わった、体格が異なる人に和服を譲りたい、古くなった和服を修理したい、という際に依頼が入るのが、お直しの仕事です。

お直しの仕事には、主に以下のようなものがあります。
・寸法直し
加齢と共に体型が変わった、娘に和服を譲りたいが体格が違う、などの場合には、依頼内容は寸法直しです。

・ほころび直し
経年劣化で縫い目にほころびの出てしまった和服を修理する場合は、依頼内容はほころび直しになります。

・たるみ直し
経年と共に和服の生地は変化します。生地が縮んだりした場合、表地と裏地の釣り合いが取れなくなることがあります。その場合、縮んだ部分に合わせて全体のバランスを整えます。

・仕上げ直し
畳み方によっては、和服に不必要なシワができてしまうことがあります。このシワをとる作業が仕上げ直しです。

・仕立て直し
寸法を大幅に変えたい、デザインを変えたいという大掛かりなお直しの場合は、縫い目を一度すべてほどき、縫い直しをします。これは仕立て直しと呼ばれます。

指導者としての仕事

経験を積み、実際に和裁士として縫製の仕事をするかたわら、また本職として、指導者となる道もあります。

この場合は、和裁士育成の専門学校や和裁所(和裁士の勤める会社)、個人教室、カルチャーセンターなどで、教師や講師として教えることになります。

高い技術と経験が必要とされる和裁士の仕事は、とてもプロフェッショナルな専門職と言えるでしょう。