和裁士になるための学校(大学、専門学校、教室)

和裁士になるための一般的な方法のひとつは、学校や教室に通うことでしょう。ここでは、それぞれの教育機関の特徴を挙げてみたいと思います。

和裁専門コースのある大学

和裁専門コースのある大学は、数は多くないものの全国に点在しています。和裁という職業柄、女子大学や芸術大学の服飾関係学科にコースが設けられていることが多いようです。また、伝統工業産業が盛んな京都府や石川県の大学に和裁専門コースが見受けられるのが特徴的です。

大学で和裁を学ぶことのメリットは、和裁について体系的に学べることで、技術の面だけではなく、総合的に和裁のエキスパートとなれるところでしょう。将来的に和裁の講師になりたいと考えている人にとっては、大学は非常に有意義な選択と言えます。

また、二次的な利点にはなりますが、大学卒業という学歴は、社会に出たとき一般に役に立つことが多いものです。

デメリットとしては、高額な学費があげられます。和裁専門コースがあるのはほぼすべて私立大学となり、学費の相場は初年度100万円~150万円のところが多くなっています。短期大学だと2年間、4年制大学だと4年間の学費が必要になります。しかし大学によっては学費免除や貸与の奨学金に申し込める場合もあります。
(参照:JS日本の大学 https://school.js88.com/shigoto/list?type[]=2&type[]=3&job=511)

和裁専門コースのある専門学校

専門学校も大学と同じく、全国各地に点在しています。特徴的なのは、大学は服飾関係学科の中に和裁専門コースが設けられているのに対し、専門学校は「和服専門学校」や「きもの専門学校」と、より和服に特化している学校が多いことです。

大学と同じく、和裁学科に2年制と4年制を設置している専門学校が多いですが、師範学科(指導者を育てることを念頭に置いた学科)だと、5年制というところもあります。

専門学校のメリットは、学校にはよりますが、おおむね大学よりも学費が安い点があげられます。初年納入金は60万円から80万円のところが平均的で、大学の学費の半額ほどです。また、大学と同じく奨学金を用意している専門学校も見受けられます。
(参照:JS日本の大学 https://school.js88.com/shigoto/list?type=11&job=511)

和裁技能士検定試験1級または2級合格を学科内の目標に掲げているところもあり、検定試験合格に照準を絞りたい人にはいいかもしれません。

和裁教室

個人で和裁教室を開講している先生のところで学ぶ、という選択肢についてはどうでしょうか。

端的に言うと、効率的に和裁のプロを目指す人には向かない方法かもしれません。まず、1日に勉強する時間が他の教育機関に比べ極端に少ないという点。また、これは教室のカリキュラムにもよるでしょうが、資格試験合格を目指せるほどの総合知識を体系立てて学ぶことが難しい、という点があります。

和服を縫ってみたいという純粋な好奇心から和裁教室に通い、趣味が講じて独学で勉強をし、検定試験に合格したという人の例もあります。極端な例では、資格を持っていなくても経験や人脈が豊富なため仕立ての仕事を受注できる、という人もいます。しかし、そういった人は限られているというのが現実です。