和菓子職人への転職が静かな人気
景気の低迷を受け、事務や販売、営業職から農家や職人などのいわゆる「手に職」を持つ仕事への転職が増えてきています。
ある老舗どら焼き店の和菓子職人の募集記事が転職サイトに掲載されると、一個人商店の求人であるにもかかわらず2週間足らずで100人前後の募集があったといいます。
このような小・中規模の個人商店の募集記事が増えるにしたがい、和菓子職人への転職がより身近なものになったといえるでしょう。
同業種からの転職は有利か?
未経験者の転職
店ごとのオリジナリティーが大切な和菓子の世界。
仕事を覚えて一人前になるまでに時間がかかったとしても、その店のやり方や伝統技術を一から習得していける未経験の若者が、採用のときにもっとも有利だといえます。
次に有利なのが、ある程度年齢が行っていても異業種から転職する人です。
未経験の場合、年齢にかかわらず一から修行を積むのは当然のことなので、比較的仕事を教えやすいため採用されやすい傾向にあります。
同業種からの転職
その点、他の和菓子店から同業種店に転職しようとする場合には、「年齢」が重視されるケースが多々あります。
見習い、駆け出しで働いていた程度の若い人の場合、蒸す・焼く・練るなどの基本の技術を習得していると即戦力として使いやすい人材となり、転職に有利だといえるでしょう。
意外に力仕事が多く、厨房の暑さや立ちっぱなしなどの和菓子店特有の悪条件を実務経験で把握していることもメリットになります。
一方、経験があり年齢もそこそこ行っている和菓子職人の場合、仕事を教える方はつい気を遣ってしまったり、教わる方も初心に戻って指導を受ける姿勢になれなかったりと、なかなか難しい場合が多いようです。
和菓子職人への転職に有利な資格やスキル
和菓子職人に適した資格といえば「製菓衛生師」や「製菓製造技能士」が挙げられますが、これらは将来的に独立する目標がある人に必要なもので、特に転職に有利になるわけではありません。
それよりも、美的センスや味覚、手先の器用さ、何より和菓子が好きでやる気があることが重視されます。