女性のキャリアパス・結婚後の生活

女性の和菓子職人の現状

和菓子職人は圧倒的に男性の方が多い職業ですが、近年、女性の和菓子職人が増加しています。

まだ女性の和菓子職人はひと握りですが、製菓学校によっては生徒の男女比が男性3対女性7と、女性の方が多い学校もあるようです。

和菓子職人の仕事は男女の差別がないので、女性でも十分に目指すことができます。

しかし一人前になるまでには8年~10年ほどかかるという厳しい世界で、20歳前後で入社してもプロとして認められるのは30歳前後です。

結婚や出産などのライフイベントと重なる時期のため、人材不足や福利厚生が整っていない店舗では休みが取りづらくて辞めざるをえない場合もあるでしょう。

しかし現在ではフリーランスでお菓子作りをしたり、女性同士で独立して店舗を経営するなど、女性の職人の増加によって新しい働き方も生まれてきています。

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女性の和菓子職人の強み・弱み

女性の和菓子職人の強み

和菓子の魅力は、味はもちろん季節を感じられる美しい色合いや繊細に表現された形です。

女性ならではの手先の器用さや感性は、和菓子職人にふさわしい適性といえるでしょう。

また消費者の多くは「甘いお菓子が手放せない」という女性たちです。

近年のヘルシー志向から、高カロリーの洋菓子よりもカロリーが低く、厳選された素材を用いた和菓子を選ぶ女性も年々増える傾向にあります。

女性消費者の視点に立った味と見た目、低カロリーの新商品を開発するにあたっては、女性の和菓子職人の視点を多いに生かすことができます。

女性の和菓子職人の弱み

和菓子職人の女性がもっとも不利になるのは、とくに見習い期間中は力仕事が多い点でしょう。

大鍋を持ち上げたり、ひたすら餡をこねたりといった作業は男性でも大変な体力を使う仕事です。

常に火を使うため厨房内はいつも暑く、朝早くから長時間立ちっぱなしの作業は、女性にとってはかなりこたえます。

特に、気温などの影響を受けて体調が変化しやすい女性にはつらい職場です。

見習い期間を終えてプロとして和菓子を作ったり、新作を考案できるようになったときのやりがいはひとしおです。

しかしプロの和菓子職人として活躍していても、1日中同じ姿勢で作業台に向かっていることが多いため、肩こりや腰痛などと常に隣り合わせになります。

体力や健康面で、女性にとっては厳しい世界だといえます。

和菓子職人の結婚後の働き方・雇用形態

和菓子職人の結婚後の働き方は、人それぞれです。

規模の大きな店舗や企業では育休制度や産休制度が整っていることが多く、結婚後も働きやすい環境だといえるでしょう。

とくに産休や育休の取得実績がある企業では、制度を積極的に活用し、出産後も復職する人が多いようです。

しかし和菓子店の多くは、従業員10人以下の小規模な店舗や個人店がほとんどで、福利厚生が整っていないことも珍しくありません。

人手不足で有給休暇も連休が取れないような店舗では、産前休暇や育児休暇の取得は難しく、退職せざるを得ない場合もあります。

和菓子職人は正社員の募集が多く、アルバイトや派遣社員として職人を募集している店舗がほとんどないため、ほかの職種のように雇用形態を変えて職人として仕事を続けることは難しいでしょう。

そのため一人前の和菓子職人として技術を身につけている女性の中には、結婚後に独立して自分で店を開いたり、和菓子作り教室やワークショップ、イベント出店などに挑戦している人もいます。

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和菓子職人は子育てしながら働ける?

和菓子職人は、子育てしながら働ける仕事です。

ただし出産後もそれ以前と同じように働くには、家族の協力と職場の理解が不可欠でしょう。

朝は7:00前後から勤務が始まる職場が多いので、子どもの朝ごはんや支度は家族にお願いすることになりますし、繁忙期で作業が夜遅くまでかかる場合も家族の理解が必要です。

職場によっては出産後に復職する女性が多く、女性社員同士がフォローし合いながら仕事をしている店舗もあるので、職場に恵まれれば子育てしながら働くことができるでしょう。

ただし店舗によっては、時短勤務などの融通がきかず、復職や子育てしながら働き続けることが難しいケースもあります。

また一度退職して子育てに専念してから、子どもが手を離れる段階で復職したり、自分のペースで仕事をするために店を開いた人もいます。

見習い期間を終え、技術を身につけた一人前の状態であれば、子育てしながらでも無理のない範囲でスキルを発揮できるでしょう。

和菓子職人は女性が一生働ける仕事?

和菓子職人は、女性が一生働ける仕事です。

これは手に職を身につけた職人ならではのメリットといえるでしょう。

ただし結婚前・出産前と同じように働けるかどうかは、店舗や企業しだいです。

少人数の職場では和菓子職人一人ひとりの責任が重い分、休むと迷惑がかかってしまうため、続けられない場合もあるかもしれません。

その店舗で働き続けたい場合には、就職前に福利厚生や休業制度について確認しておくと安心でしょう。

ただし和菓子職人はスキルがあればライフステージに合わせて働くことができるので、正社員にとらわれず、柔軟に働き方を考えることをおすすめします。

経験者が優遇される職場もあるので転職することもできますし、独立開業して成功すれば収入アップも目指せるかもしれません。

工夫しだいでさまざまな働き方と、活躍ができる仕事です。