バレーボール選手の現状と将来性

企業の支えで発展した日本のバレーボール界

日本のバレーボール界も、Jリーグ発足直後の1994年、プロ化に向けて動き出したことがあります。しかし、バブル崩壊による日本経済の悪化と企業チームの慎重論によって、2年後にはプロ化計画を中止せざるを得ませんでした。

2003年、将来のプロ化を視野に入れたVリーグ(日本バレーボールリーグ機構)が発足。現在、Vリーグには企業チームとクラブチームの両方が参加しています。

もともと、日本のバレーボールは、大企業に支えられて強くなってきました。

特に、高度経済成長期に日本鋼管(現JFE)や松下電器(現パナソニック)、八幡製鉄(現新日鐵住金)、大日本紡績(現ユニチカ)、ヤシカ(経営破たん)、鐘紡(現トリニティ・インベストメント)、日立製作所といった大企業がチームを保有。

さらに、全日本チームがオリンピックでメダルを獲得して、1960年代〜1970年代の日本で、バレーボールはサッカーよりもメジャーなスポーツでした。

企業にとってプロ化は大きなリスク

ところが、1980年代から世界的にバレーボールが普及すると全日本の成績が低迷し、国内のバレーボール人気も衰えました。その後、プロ化の話が持ち上がりましたが、チームを抱える企業は慎重でした。

チームを保有する企業にとってプロ化は、大きな負担とリスクを伴うからです。経済的にも将来を見通しにくい中で、プロ化に消極的なのも無理はありませんでした。

現実に、その後、新日鐵や富士フィルム、旭化成、小田急、東芝、東洋紡といった企業が、本業の不振でチームを手放しました。

クラブチームのVリーグ参戦と今後

その一方、Vリーグには、「クラブチーム」という新たなチーム形態が現れています。その代表が新日鐵堺からチームを受け継いだ「堺ブレイザーズ」と、東芝からチームを受け継いだ「岡山シーガルズ」です。

ともに協賛企業やサポーターの会費によって支えられた地域密着型のスポーツクラブとして活動しています。

選手たちは、クラブとプロ契約を結んでいてバレーボールに専念できますが、常にサポーターやファンに感謝するとともに、熱心にファンサービスを行うことがクラブの存続そのものに直接関わってきます。

実際、選手たちはオリジナルTシャツを販売したり、コーチを派遣したりしてチーム運営費を稼いでいます。また、マスコミへの対応をしっかり行うことが、新たなサポーターの獲得やチーム収入にもつながります。

そのため、企業チームに比べ、クラブチームには謙虚な態度でひたむきにバレーボールに取り組む選手が目立つといわれています。

Vリーグ2部にあたるチャレンジリーグには、男子の「つくばユナイテッドSun GAIA」「東京ヴェルディバレーボールチーム」「兵庫デルフィーノ」、女子のKUROBEアクアフェアリーズ」「仙台ベルフィーユ」などのクラブチームが参加しています。

もともと、企業の業績には浮き沈みがあり、現在の企業チームもいつまでVリーグに関わることができるのかわかりません。

これからは、大企業一社に頼るのではなく、地元の協賛企業とサポーターによって支えられるクラブチームが増え、Vリーグを活性化させていくことが、日本のバレーボール復活のカギといわれています。