宇宙飛行士の現状と将来性

日本人宇宙飛行士の立場の変遷

1992年、スペースシャトル・エンデバー号に乗り、日本人宇宙飛行士として初めて宇宙へ飛び立った毛利衛さん。科学実験のスペシャリストとして、アメリカ人クルーと協力しながら各種宇宙実験をこなし、地球上の日本人にも大きな感動を与えました。

それから20年以上が過ぎた今、世界における日本人宇宙飛行士の立場や、その役割は少しずつ変わりつつあります。

最も大きな変化は、国際宇宙ステーション(ISS)計画がスタートし、宇宙開発で先を行っていた世界の宇宙飛行士たちと対等な立場になったこと、さらにこれまでの日本人宇宙飛行士の成果が認められ、高く評価され始めたことと言えるでしょう。

世界の宇宙飛行士のトップを目指す

それを裏付けるように、若田光一さんは2013年11月からの飛行で、日本人として初めてISSのコマンダー(船長)を務めることが決まりました。

船長になるには、NASA宇宙飛行士養成クラスで学び、特別な資格の取得が必要となるほか、技術から人間性まで、全てにおいて一流と認められなければなりません。

また、2011年に新たに認定された3名の宇宙飛行士は、もともと「船長になれる人材」という基準で選ばれた人たちです。

次の宇宙飛行士募集がいつになるかはわかりませんが、日本の宇宙開発が活発化する中、これからの宇宙飛行士にも、より高いレベルでの自然科学系の知識・技術が求められるのはもちろん、日本を代表する存在になれるだけの人間性、高い教養レベルが必要となるでしょう。

宇宙事業の民営化も視野に

もともと各国の宇宙開発事業は、国策として莫大な費用がかけられてきました。しかし現在、宇宙開発の先進国である米国などでは開発の民営化が進みつつあり、この先、日本においても宇宙開発ベンチャーが誕生するなど、宇宙開発のあり方も変わっていくものと考えられています。

現状、日本で宇宙飛行士の数が何十人、何百人と増えていくことは考えにくいです。しかし、今後宇宙開発ビジネスの形が変わっていけば、いずれ宇宙飛行士が「特別」な存在ではなくなる日がやってくるかもしれません。