通訳の役割

通訳は必要?

相手が発する言葉を単に訳すだけなら、最新の翻訳アプリなどでもカバーできるかもしれません。

しかし、これだけ翻訳機器のレベルが向上した現代でも生身の人間の通訳が求められるのは、微妙な人間同士の感情や思惑など、人にしか察知できないものが言葉の裏に隠されているからでしょう。

そういった文字通りの意味とともにニュアンスだったり「行間を読む」といった人間的なぬくもりが大切になるのが人と人がコミュニケーションを図るという通訳の現場なのです。

単純に相手が言った言葉を直訳するのではなく、通訳するシチュエーションに合わせて、必要なことを適切な言葉で通訳していくというのも通訳者の大きな役割なのです。

国際政治の場で通訳者が言葉のニュアンスを間違えて伝えてしまったために、政治問題に発展するといったことも起こりえます。

たとえば、「検討します」といった肯定も否定も含まれるような日本語の曖昧なニュアンスを、どのように相手に伝えるかといったことは通訳者の腕の見せどころです。

その場の雰囲気や文脈を正確に把握し、双方の国の文化や言い回しを理解することが通訳者には求められます。

通訳が持つ文化的背景の大切さ

通訳は単にその国の言語だけを勉強しているわけではありません。相手の国の歴史や文化的な背景に精通していれば、相手が話す言葉の表面上な意味ではなく、心にある思いを汲み取ることができます。

単純に翻訳すれば同じ言葉であっても、各国ごとにその単語の定義は微妙に異なってきます。たとえば、日本語の「大雨」と熱帯での「大雨」はイメージする雨の降り方が違うはずです。

こういった言葉の定義や文化の違いの積み重ねでコミュニケーションは成り立っているのです。こうした微妙な問題をしっかりと把握していることが通訳が持つ大きな意義といえるでしょう。