トリマーの退職、離職率

憧れる人は多いが、離職率も高め

念願のトリマーとして働くことができたとしても、仕事は実際、楽しいばかりでなく大変なことも多いです。

たとえばペットショップなどに勤めた場合、一般的に、1日につき5頭前後のトリミングを任されます。飛び込みのお客さまが多い日や、年末などの繁忙期には、ほぼ休む暇もなくトリミングを続けることもあります。

「犬のそばにいたい!」「動物と毎日触れ合っていたい!」こんな願いを叶えられる仕事ではありますが、ただ好きというだけでもやっていけないのがトリマー。

勤め始めてから短期間で退職を考えてしまう人も少なくありません。

明確な離職率はわかりかねますが、トリマー専門学校の卒業生であっても、就職して半分程度の人が1年以内にトリマーの職場を離れるという声も挙がっています。

退職を考える理由

トリマーが仕事を辞める理由は、いくつかあるようです。

まず、トリミングだけをやっていればいい職場ばかりではない、ということ。

たとえば、販売も行うペットショップなどでは「子犬を月に何匹売らなければならない」といったノルマが課せられていたり、スタッフの数が足りない職場になると、雑用的な仕事の比重が高いこともあるようです。

とくに新人時代は、1日中シャンプーだけを任されたりする職場もあり、「自分が目指していたトリマーの姿ではない」という理想と現実のギャップを理由にして、職場を離れたり、まったく違う仕事へ転職する人がいます。

続いて、健康上の理由で余儀なく退職せざるを得ないという人もいます。

トリマーの仕事は、基本的に立ち仕事。大きな動物を扱うこともあるなど体力勝負の面も大きく、腰痛や肩こりで悩まされる人は多いです。

また、シャンプーなどで長時間水に触ったり、ハサミを持ち続けるため、手全体にあかぎれができるようなひどい手荒れになる人もいます。

さらに、中には突然動物アレルギーを発症してしまう人がいます。そうなると、目がかゆくなったり、肌に湿疹が出たり、さらにひどくなれば喘息の症状が出てしまうなど、自分の体調を保つだけでも大変です。

もちろん、適切な治療を行いながら仕事を続けることは可能ですが、体を壊してまで仕事を続けるのは難しいと考える人もいるようです。

身に付けたスキルを生かすために

このような理由以外に、「トリマーとして独立をする」「結婚・出産を機に一度現場を離れる」といった道を選ぶ人もいます。

雇用形態に関わらずトリマーの就職先が比較的多いのは、それだけ人の入れ替わりが多いということでもあります。

トリマーは専門職ですから、一度しっかりとした知識や技術を身に付ければ、そのスキルを武器にしてさまざまな形で働くことができます。

せっかくお金と時間をかけて学校に通っても、ほんの数ヵ月程度で仕事を辞めてしまうのはもったいないもの。

「動物が好き」という気持ちも不可欠ですが、どのようなトリマーになりたいのかしっかりと考え、仕事の厳しさも覚悟したうえで、この世界に飛び込んだほうがよいのではないでしょうか。

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