トリマーの仕事をするうえで勉強しなければならないこと(体験談)

ペットの宿命

人間は自分の意志で予約をとり、美容院へ行かれる方が多いでしょう。

しかしペットとして飼われている動物は、ご主人さまのご都合や事情に合わせて連れてこられる弱い立場に置かれているということを忘れないでください。

私は犬を専門としたトリマー校で学びましたので、ここからは犬のお話として参考にしていただけたらと思います。

トリミング中、どんなに大人しくていい子であってもストレスは感じていると思います。

トリミングが終わり、ご主人さまが迎えにこられると、尻尾をふりながら床に体をこすりつけるシーンをよく見かけるのですが、それは匂いを消したいための行動の一つだと理解されている飼い主さまは少ないようです。

もちろん、とても大切なお客さまですので、こちらからあえて口に出すことはできません。

本当にうれしいのだとすれば、その行動をとることによりご主人さまが喜ぶという学習能力が犬には備わっているからではないでしょうか。

当然、飼い主様も悪気などまるでなく可愛くて仕方がないのですから、とても複雑な心境になるときもあります。

犬を深く学ぶ

犬は群れをなして行動をとる習性であるとともに、順位をつけ、大好きなご主人さまが喜ぶことに命をささげるほど頑張ってしまうけなげで愛しい生き物です。

独りぼっちでトリミング台の上に乗せられ、不安に思う気持ちを無視してムリにおさえつけたりしては、余計な不安や警戒心をあおり、事故にもつながる恐れがあります。

動物は動いて当然だということを念頭におき、予想外の行動にも対応できるよう、常に落ち着いた態度で接することも大事です。

信頼関係

トリマーは技術を要する職業であるとともに、サービス業でもあります。

直接サービスを受けるのは動物ですが、本当のお客さまは飼い主さまといっても過言ではありません。

そこが難しいところでもあり、大切なことでもあるのです。

まずは犬をよく知り、双方に耳を傾けることから本当のトリマーとしての仕事が始まるのではないかと思います。