トレーダーも営業職の一種
横文字でかっこいい感じの名称だとしても、結局のところトレーダーは「証券会社の法人向け営業職」にあることに変わりはありません。
営業職に必要なスキルとして一番に思い浮かぶのは、やはりコミュニケーション能力ではないでしょうか。
お客さまのニーズを聞き取り、自分に何ができるかを考えて、お客さまに最適なソリューションを提供するのが営業職の基本です。
トレーダーがやりとりするお客さまは機関投資家であるファンドマネージャーが中心となります。
ひとりのトレーダーが担当するお客さまの数はだいたい10数件程度であることが多いようですが、そのすべてのお客さまに毎日何らかのコンタクトをとることがトレーダーの仕事です。
人間関係がすべての基本
疎遠になってしまったら、もう商売をすることはなくなってしまいます。
トレーダーの扱っているものは、金融商品です。金融商品は、極端なことをいえば、どこのトレーダーと取引しても、内容自体に変わりはありません。
たとえば、ある高級化粧品がほしいけれど、Aデパートの美容部員から買うのか、Bデパートの美容部員から買っても商品内容は同じです。
その美容部員が提案する内容や、普段のつきあいで話に共感ができる、といったことで買う店を決めることもあるのではないでしょうか。
トレーダーとファンドマネージャーの関係も、まさにそのような人間関係がベースなのです。
証券アナリスト試験程度の知識は必須
お客さまに最適な取引プランを提案するためには、お客さまの知識に相応した勉強が必要になります。
ただ、お客さまのから受けた注文を取り次ぐだけでは、トレーダーとして一人前ではありません。
マクロ経済を中心とした経済知識はもちろんのこと、証券アナリストの科目程度の金融の知識は必須となります。
これらをベースに、日々のマーケットの動きを読んで、自分なりの相場観があってこそ金融マーケットでご飯を食べることができるのです。