土地家屋調査士の役割

不動産の物理的な状況を明らかにする

土地家屋調査士が行う主な仕事は、不動産の表題登記をおこなったり、土地や建物を測量したものを図面化して法務局(登記所)に備えたりすることです。

表題登記は不動産の所在や大きさなどを公示するためになされるものですし、土地や建物を測量して表題登記する際には、図面も法務局に備え付けることになります。

このように表題登記されたり備え付けられたりすることにより、対象となる不動産の物理的な状況が明らかになります。誰もがその不動産の物理的な状況を容易に確認できるようになり、不動産取引などの安全や円滑化が図られるのです。

なお、この表題登記がない不動産は存在が認められず、たとえば売買したり担保に提供したりといったことができません。また、建物については完成後1ヶ月以内に表題登記をしなければならないと定められています。

従いまして、土地家屋調査士の主たる仕事である表題登記はとても大事な仕事であると言えます。

表題登記を正しく直す

不動産登記制度の発端は明治時代の地租改正に端を発しており、その歴史は古いのですが、それがゆえにさまざまな諸問題が生じています。

その中でも、土地の面積や形状というのは、明治時代に縄で測ったものを基に計算されたり作図されたりしており、現況と大きく異なることが多々あります。

特に面積については、地租(土地にかかる税金)を節約するため、面積を過少計上されているケースが多々あり、めちゃくちゃな状況のものも珍しくないのです。

これがために境界争いや、売買・相続のときなどに面倒が起きてしまうのですが、これらを正しく訂正していくのも土地家屋調査士の仕事です。

たとえば、一つの土地を二つに分ける(「分筆」といいます。)ときには、二つの土地ともきちんと測量して地積測量図を法務局に備えることになっており、これをきっかけに少しずつでも土地の物理的な状況を正しく直していっているのです。

このように、負の遺産ともいえる表題登記を正しく直すことも、土地家屋調査士の大切な役割です。

境界争いにモノ申す?

土地は一般的に個人財産の中でも高い比率を占めるため、境界争いが出ると非常に厄介で、泥仕合のようになることも多々あります。

そうなってしまうと、最終的には訴訟(境界確定の訴え)で解決を図ることになるのですが、費用も時間もエネルギーもかなりかかることになります。

そこで平成18年から「筆界特定制度」というものができました。

これは厳密には所有権界たる境界(ここまでが自分の土地であると主張できる境界)を決めるものではなく、公法上の境界である筆界(客観的にこの土地はここが境界だとされる行政上の境界)を決めるものに過ぎませんが、この筆界特定に当たっては土地家屋調査士も関与するため、境界確定の訴えまで行ったとしても、同一の決定がされる可能性が極めて高いのです。

また、土地家屋調査士が関与することによってそれ自体が交渉材料にもなりますし、土地家屋調査士は一定の要件のもとで境界に関するADR(裁判外紛争処理)を行うことも認められています。

このように、境界争いが泥仕合の様相となる前に解決するという役割も、土地家屋調査士にはあるのです。