現代の哲学者の役割

対話スキルを生かす

哲学者のライフワークは物事を「問い続ける」ことで新たな世界観を獲得することを目指すことです。

「問い続ける」ための方法の一つとして、哲学の分野で大切にされているのが「対話」です。

基本的に研究者は孤独に対象に対峙していく姿勢が必要ですが、その結果得た持論は他者と議論させなければ、さらなる発展は望めません。

もちろんこれは他の研究職にもいえることですが、哲学分野の場合、同一の研究対象に対しての解釈は何通りもあり、それを知ることこそが思考を深めていく力になるのです。

つまり、「私はこう考える」「あなたはこう考える」を大事にするのが哲学という学問。

この対話スキルは教育や介護の現場におけるカウンセリング部門でも生かされることが期待されています。

ファシリテーターとしての役割に期待

近年、とくにヨーロッパでは、国のエネルギー政策について議論する諮問委員会などに科学者や経済学者、企業人らと並んで、哲学者が名を連ねることがあります。

たとえば原発の是非を考える際に、客観的なデータからは見えてこない部分に光をあて、より根本的な問いを発することを哲学者は期待されているのです。

今後、日本でもこうした議論の場で哲学者がファシリテーターの役割を担っていくことが期待されています。

実社会で運用できる確かな実力

哲学を専門に学んだ学生を採用したいと考える企業もあるでしょう。

前述の対話スキルに加え、物事を多角的に捉える力、一つの事象を根気よく問い続ける力、新たな世界観を生み出そうとする発想力など、どれも一般企業で生かせる能力を兼ね備えていると考えられているためです。

これまで哲学者の持つ職業は教育職がメインでしたが、今後は自身が求めていけば活躍の場は多方面に広がっていくと考えていいでしょう。