水泳選手の筋肉、体脂肪率

赤身と白身

魚には、マグロやカツオのような赤身魚と、タイやヒラメのような白身魚がいます。

マグロやカツオのように遠海まで泳ぐ回遊魚は、瞬発力より持久力に優れています。

遠くまで長い時間をかけて泳ごうとすると、大量の酸素を取り込み、エネルギーを長く生みだし続けることが必要です。

その際、酸素は「ヘム」という鉄入り色素と結合して供給されますが、この「ヘム」が赤い色をしているため、マグロやカツオの身は赤く見えます。

反対に、タイやヒラメのように近海を泳ぐ魚は、獲物を追いかけたり、敵が逃げるため、瞬発力が発達しています。

瞬発力を生むのに重要なのは効率よくエネルギーを生みだすことで、酸素を大量に取り込む必要はありません。そのため、筋肉に色がつかず、白く見えます。

長距離選手と短距離選手

実は、人間も、赤身(遅筋という)の割合が多い人と、白身(速筋という)の割合の多い人がいます。

陸上競技のランナーでいえば、長距離選手の筋肉は赤身の割合が多く、短距離選手の筋肉は白身の割合が多くなっています。

水泳の場合、長距離を得意とする選手は、やはり赤身の割合が高いそうです。陸上での長距離走も得意というタイプは、水泳選手としても後半の追い上げに持ち味があります。

それに対して、水泳の短距離が得意という選手は、必ずしも白身が多いわけではないようです。

100m自由形でも1分近くかかりますので、持久力も必要で、むしろ、赤身と白身の割合が同じくらいの人が力を発揮するといわれています。

水泳選手の体脂肪率は8~16%

陸上競技のトップ選手は、体脂肪率が10%以下という人がほとんどですが、水泳選手は、男子で8〜12%、女子で10〜16%とやや高めになっています。

実際、見た目でも、陸上競技のトップ選手の身体は、鋼のように研ぎ澄まされた印象ですが、水泳選手の身体にはうっすらと脂肪がついているのがわかります。

水泳選手の体脂肪率が高いのは、脂肪が少しついている方が浮きやすいからです。

少し脂肪がある方が水に浮きやすい

筋肉の比重が1.1なのに対して、体脂肪の比重は0.9です。水の比重1.0より高いと沈み、低いと浮きます。

もともと人間の体の大半は水分なので、誰でも水に浮きますが、体脂肪が少なすぎると浮きにくくはなります。

体脂肪率が数%の体操選手には、泳げない人が目立つように、水に浮くには少し脂肪のついている人の方が有利なのです。

水泳のトップ選手には、定期的に体脂肪率を測定しながら、食事内容を変えている人もいます。