スポーツトレーナーの仕事とは? わかりやすく仕事内容を紹介

スポーツトレーナーの仕事とは

スポーツトレーナーは、選手がコンディションを保ち、最高のパフォーマンスを発揮できるようにサポートする仕事です。

サポートするスポーツはサッカーや野球などをはじめ、あらゆる種類のものにそれぞれ対応します。

プロ野球チームやJリーグなどでは、チームに所属し専属で働くスポーツトレーナーもいますが、そのほかに高校・大学・社会人チームなどでは、スポーツジムや整体院などから派遣されて、必要な日だけ働くという人もいます。

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スポーツトレーナーの業務の内容

運動能力やパフォーマンス力を高める

スポーツトレーナーの主な仕事は、運動能力やパフォーマンス力を高めるためのトレーニング指導です。

体幹部を中心とした筋力トレーニングやバランス感覚を養うトレーニング、また、近年重視される体の柔軟性を養うトレーニングなども指導します。

チームにフィジカルコーチがいる場合は、その補佐をします。

ケガや故障の予防と応急措置

スポーツ障害や外傷の予防と応急措置も大切な役割です。

競技中や練習中に起きるケガはもちろん、スポーツを長く続ける選手に起こりうる腰痛や膝痛・肩痛・ヒジ痛や骨の変形などを予防します。

また、ケガなどから復帰を目指す選手へのリハビリの指導も行い、突発的なケガが発生した時には応急措置やマッサージ、テーピングなどで対応します。

医者の診察を受けた場合は、担当医とよくコミュニケーションし、その選手の状態や将来の見通しなどを監督、コーチに報告します。

試合に向けたコンディション調整

選手の状態を見て、監督やコーチと練習や休養のスケジュールを考えたり、疲労回復を目的としたトレーニングやスポーツマッサージで選手のコンディションを整えたりします。

また、試合に向けたコンディションについて選手の相談を受けたり、アドバイスをしたりします。

試合当日は、ウォーミングアップやクールダウンを一緒に行うこともあります。

スポーツトレーナーの役割

チーム作りに深く関わる

スポーツトレーナーの役割は、スポーツ選手を体の面からサポートすることです。

活躍の場はプロチームや企業チーム・地域のクラブ、さらには学校のクラブ活動までさまざまですが、個々の選手のケアからチーム全体のパフォーマンスの向上まで担当して、チーム作りに深く関わっています。

心技体の「体」を担う

「心・技・体」という言葉がありますが、スポーツトレーナーはそのうちの「体」を担当します。

選手の身長を伸ばすことはできませんが、それに代わり体重や筋肉量を増やして体を大きくするためのサポートをするなど、選手の将来を見据えた体作りは大切な役割です。

また日々の体調管理はもちろん、ケガをしてしまった際のリハビリに付き合うのも大事な仕事で、休養や練習での別メニューを指示するのも大切な仕事です。

近年は筋肉を柔らかくして、選手が思い通りの動きができるように鍛えるのもスポーツトレーナーの重要な役割となっています。

身体だけでなく心のケアも行う

スポーツトレーナーは、仕事を通して選手の「心」のケアも行わなくてはなりません。

ケガや故障をして落ち込んだ時のケアはもちろん、競技に取り組む姿勢やモチベーションの維持といったメンタル面の指導が欠かせません。

さらに、選手が取り組むフィジカルトレーニングは、そのまま技術の向上に直結させる必要があります。

スポーツトレーナーは、「体」を中心にサポートしながら、選手の「心」や「技」についても密接に関わる仕事なのです。

スポーツトレーナーの見習い期間

チームの選手数が多い場合、一人ではなく、何人かのスポーツトレーナーが役割を分担しながら担当することもあります。

経験が必要な仕事ですので、プロチームの新人トレーナーは数ヵ月間、見習いのトレーナーとして働きます。

仕事もアシスタントや雑用が中心で、選手の体にはなかなか触らせてもらえないこともあるため、即戦力としての役割を果たせるよう、学生のうちにインターンシップや学生トレーナーとして経験を積むという人も少なくありません。

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スポーツトレーナーの種類

「スポーツトレーナー」という呼び名は、スポーツ選手を身体面からサポートする人の総称です。

担当する分野によって、「アスレティックトレーナー」、「メディカルトレーナー」、「ストレングストレーナー」、「コンディショニングトレーナー」、「フィットネストレーナー」などに分かれています。

アスレティックトレーナー

「アスレティックトレーナー」は、選手が打撲や裂傷などのケガをした時、症状に応じてアイシングやテーピング、止血などを行うスポーツ障害を専門とするトレーナーのことです。

また、疲労回復のためのスポーツマッサージを行ったり、リハビリなども指導したり、ケガを予防するため、体のケア法なども指導します。

試合中に倒れた選手がいるとき、コールドスプレーや救急箱を抱えて飛びだしてくるのが、このアスレティックトレーナーです。

医者の資格は持たなくても、柔道整復師やはり師、灸師、あん摩マッサージ師などの国家資格をもつ人が多くなっています。

メディカルトレーナー

「メディカルトレーナー」は、ケガからの復帰が少しでも早くなるように手助けするトレーナーです。

たとえば、スポーツ選手が骨折をした時、骨折そのものを治すのは医者で、歩行訓練といったリハビリを担当するのは理学療法士です。

メディカルトレーナーは、医者や理学療法士の手を離れた後、スムーズに競技生活に戻れるように手助けをする役割があります。

また、骨折した選手が右足にギブスをしている場合でも、左足や両腕、体幹部のトレーニングはできます。

ケガで休んでいる間のトレーニング補助もメディカルトレーナーの仕事です。

ただし、スポーツの現場では、「アスレティックトレーナー」が兼任するケースが多く、アスレティックトレーナーが「メディカル担当」と呼ばれることもあります。

スポーツ界だけでなく、介護施設などで骨折などをしたお年寄りの回復トレーニングに携わるケースが増えています。

ストレングストレーナー

「ストレングストレーナー」は、は、身体能力の向上やパフォーマンス向上のため、筋力トレーニングを始めとしたさまざまなトレーニングの指導を行うトレーナーです。

人間の体とトレーニング法に精通し、競技特性に応じてチーム全体で取り組むトレーニングと、選手ごとの個性、各ポジションに応じたトレーニングを指導します。

ジャンプ力や持久力、瞬発力など、運動能力を上げるためのトレーナーと考えてもよいでしょう。

フィットネストレーナー

「フィットネストレーナー」は、スポーツジムやフィットネスクラブなどで、個人のニーズに合わせた運動プログラムを提供するトレーナーで、スポーツインストラクターとほぼ同じ仕事です。

ダイエットやメタボ対策を中心に、市民ランナーや故障した大学や高校の選手などが対象です。

日本体育協会のスポーツプログラマーや日本ストレングス&ジンディショニング協会(NSCAジャパン)のパーソナルトレーナー(CPT)、健康・体力づくり事業財団による「健康運動指導士」などの資格があります。

フィットネストレーナーで経験を積みながら人脈を築き、スポーツトレーナーとして活動する人もいます。

スポーツトレーナーの勤務先の種類と仕事内容の違い

プロチームの契約スタッフとして働くスポーツトレーナー

プロ野球の試合では、スポーツトレーナーが一人ずつベンチに入っています。

試合中はしっかりと選手を観察し、打者がデッドボールを受けたときなどトラブルやケガがあった場合は、マウンドに飛び出しすぐに応急処置をしていきます。

プロ野球の球団が、スポーツトレーナーと契約するようになったのは戦後間もない頃です。

当時は1球団1人から3人ずつで、そのほとんどが鍼灸マッサージ師で、マッサージや鍼を中心に選手の体をケアしていました。

1960年代からアメリカのトレーニング理論が入って来ると、スポーツトレーナーの知識や技術が向上し、体づくりや運動機能の拡大なども担当するようになりました。

球団で働くトレーナーの人数も徐々に増え、現在は多い球団で12人、少ない球団でも8人が働いています。

サッカーのJリーグや、バスケットボールのbjリーグなどでも、各チーム数人のスポーツトレーナーと契約しています。

企業チームの契約スタッフとして働くスポーツトレーナー

日本では多くの企業が、陸上をはじめとしたさまざまな競技チームを運営しています。

特に全国レベルのチームには、スポーツトレーナーと契約しているところが多く、企業チームのスタッフとして契約できれば収入面で安定が得られるため、スポーツトレーナーにとっては魅力的な職場となります。

全国のクラブチームや大学、高校などのサークルや部活チームでも、スポーツトレーナーと契約しているところが増えていますが、アマチュアチームのほとんどは、スポーツトレーナーと個人的に契約するほど金銭的な余裕がないため、病院や整体院、スポーツジムなどに所属するスポーツトレーナーを安い費用で派遣してもらうのが一般的です。

病院・整体院で働くスポーツトレーナー

スポーツトレーナーはプロや企業チームの契約スタッフとして働くイメージがありますが、プロチームと契約できる人数が限られているため、就職するには非常に高度な知識とスキルが求められ、人気も高く狭き門です。

そこで病院や整体院・スポーツジムなどに就職し、そこから各チームへ派遣されるというのが、スポーツトレーナーとして働く一般的な方法です。

ただし、病院や整体院に勤める場合は、スポーツトレーナーとしてだけではなく、一般の方への施術をしたり、事務や裏方的な仕事を任されたりすることも多々あります。

整体院と似た職場に整骨院がありますが、整骨院で働くためには柔道整復師の資格を取得しなくてはならないため、スポーツトレーナーの働く場はもっぱら整体院となります。

海外で働くスポーツトレーナー

最近は、アメリカやカナダの野球やバスケット、アメリカンフットボールなどのプロチーム、さらには大学やクラブチームでスポーツトレーナーとして働く人も増えています。

欧米は、日本と比べてスポーツトレーナーの地位が高く、複数のアマチュアチームと契約して生活しているフリーのスポーツトレーナーも少なくありません。

意外な場所で活躍するスポーツトレーナー

「スポーツトレーナー」と呼ばれていても、活躍の場は、スポーツ界だけとは限りません。

病院やリハビリ施設など医療現場で働くスポーツトレーナーもいますが、実は、もっと意外な場所でも活躍しています。

スポーツ以外の場所では、単に「トレーナー」と呼ばれることが多いです。

芸能人やアーティストの専属トレーナー

歌手や音楽バンド・ダンスユニットなどのアーティストと専属契約を結び、体調管理や体力強化を担当していることがあります。

コンサートツアーを行う際、週末は1日2回公演が当たり前で、平日も開催地を移動しながらコンサートを開くことが珍しくありません。

コンサートツアーでは、かなりハードなスケジュールが組まれ、コンサート中は分刻みのスケジュールで動いているため、アーティストの疲労やストレスは、プロスポーツ選手並みといわれています。

そこで、専属契約を結んだスポーツトレーナーが、普段から体力強化のトレーニングや体調管理の指導を行っているのです。

コンサートツアーやレコーディングなどにも帯同し、疲労回復やケガ防止のためのケアを行っているケースもあります。

オーケストラや劇団の専属トレーナー

オーケストラや劇団と専属契約を結ぶ人もいます。

オーケストラや劇団の多くは、ふだんから体力強化や姿勢の矯正・呼吸法などのトレーニングを取り入れています。

楽器演奏や演技が、体力や姿勢、体調と密接に関わっているのです。

専属契約を結んだスポーツトレーナーが、ふだんからトレーニングメニューを作成したり、体のコンディションを整えたりして演奏や芝居を裏から支えています。

専属トレーナーが、海外公演やコンサートにも帯同して体調管理やコンディションの調整などを行うこともあります。

テーマパークの常駐トレーナー

テーマパークでも、スポーツトレーナーが活躍しています。

テーマパークを盛り上げるためには、着ぐるみのキャラクターやダンサーが欠かせませんが、連日のように公演や練習を重ねていると体の負担も大きく、また捻挫や打撲、肉離れといったケガも起きてしまいます。

そのため、スポーツトレーナーが、テーマパーク内のトレーナー室に駐在し、ケガの応急措置や疲れた体のケア・テーピングなどを行っています。

テーマパークのショーやパレードはとても華やかですが、その陰では、スポーツトレーナーが重要な役割を果たしているのです。

スポーツトレーナーの仕事の流れ

チームと契約するスポーツトレーナーは、練習や試合などすべてチームの一員として行動し、休日も、チームのスケジュールに合わせて取ります。

ただし、休日でも病院に行ったり、リハビリや個人トレーニングをしたりする選手がいるため、休日でも選手に付き合うトレーナーも少なくありません。

社会人や大学・高校のチームの場合には、スポーツジムや整体院などから派遣されるトレーナーが中心で、その場合は、所属のスポーツジムや整体院から給料をもらい、週に数日だけ大学や高校へ通うというケースが多くなっています。

スポーツトレーナーと関連した職業

スポーツトレーナーと理学療法士と仕事内容は似ていますが、怪我や病気が原因で身体の動作が上手く行えない人に対して訓練を行うのに対し、スポーツトレーナーはスポーツ選手を専門に担当します。

もちろんスポーツの分野で活躍する理学療法士もいますが、スポーツの専門家といえるスポーツトレーナーに対し、理学療法士は身体の動作やリハビリの専門家といえるでしょう。

また、スポーツトレーナーには必須となる資格はありませんが、理学療法士は国家資格が必要となり、医療機関で働くのが一般的です。

理学療法士の仕事