僧侶(住職・坊さん)の現状と将来性

寺院の存在感が希薄化している

日本は古くから生活の中に仏教文化が根付いています。そのため、日本人は信仰に関わらず自然と仏教に親しんできました。

歴史的に見ても政治や文化などあらゆる面に仏教が与えた大きな影響を与えています。日本の歴史は仏教抜きにして語ることは不可能であるといえるでしょう。

全国にはおよそ76,000もの寺院があり、この数字はなんとコンビニエンスストアの数を大きく上回っているのです。

このように、寺院は生活に密着した身近な存在でした。

ところが人々のライフスタイルの変化に伴って、寺院と関わりを持つ場面が減ってきており、その存在感が希薄になってきているのが現実です。

かつては人々の生活に直結し、心の拠り所ともなっていた寺院も今や葬儀や法事のときだけに関わるものと考える人が多くなりました。

とくに若者にそういった考えを持つ人が多く、時代に即した仏教の有り方を模索する僧侶が増えています。

時代に合わせた変化が求められる

たとえば、今まで寺院の重要な収入源であったお布施や寄付を支払う檀家制度は、核家族化や地方都市の過疎化等の諸問題により継続が難しい寺院が増えています。

こうした状況を受け、思い切って檀家制度を廃止する寺院も出てきました。こういった、時代に即した変化がこれからの寺院に求められているといえるでしょう。

新たな支持層の獲得

葬儀や法事は僧侶にとって主要な業務の一つです。しかし、金銭的な問題や家族の多様化などにより葬儀や法事を簡素化する傾向が強まっています。

そのような状況を打破するために、大手スーパーや百貨店と提携して時代に即した葬儀や法事、墓地のあり方を考える寺院も増えています。

このような対策をとることで、仏教に特に関心の薄い若年層や金銭的に余裕のない人々、また家族を持たない人々など、仏事一般に後ろ向きな層を取り込む必要を感じている寺院が多いです。

僧侶の仕事と仏教の今後

最近では僧侶の中にも、もっと身近に仏教の教えを知ってもらおうという取り組みを実践している人が増えてきました。寺院を開放して、一般の人向けに仏教の勉強会を開いているところもあります。

変わったところでは飲食店を経営し、気軽に仏教に親しんでもらおうと考える僧侶もいます。この結果、地域住民の憩いの場として機能する寺院も出てきています。

しかし、若年層の取り込みに苦労しているのが現状です。今後はどのように若者に仏教への関心を持たせるかが課題になってくるでしょう。