ソムリエの年収・給料はどれくらい? 初任給やボーナス、統計データも解説

ソムリエの平均年収・給料の統計データ

ソムリエの平均年収・月収・ボーナス

ソムリエの平均年収は300万円~400万円ほどがボリュームゾーンと考えられます。

主な勤務先はホテルのレストランや、街の飲食店(レストラン・バーなど)で、勤務先によっても収入に違いが出ます。

また、ほかの飲食系の専門職と同様、見習い期間とみなされる新人のうちは給料が低く、一人前になるとようやく平均的な収入がもらえると考えておいたほうがよいでしょう。

現場経験を積みながら、ソムリエの難しい資格を取得し、コンクールの入賞を目指すなど、実力と評価を高めていく努力をすることで少しずつ収入はアップします。

賃金構造基本統計調査

ソムリエの平均年収_2022

厚生労働省の令和4年度賃金構造基本統計調査によると、ソムリエの平均年収は、40.3歳で330万円ほどとなっています。

・平均年齢:40.3歳
・勤続年数:8.9年
・労働時間/月:167時間/月
・超過労働:12時間/月
・月額給与:255,400円
・年間賞与:234,900円
・平均年収:3,299,700円

出典:厚生労働省「令和4年度 賃金構造基本統計調査」
ソムリエの平均年収の推移_r4

※平均年収は、きまって支給する現金給与額×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額にて計算。
※本統計はサンプル数が少ないため、必ずしも実態を反映しているとは限りません。

求人サービス各社の統計データ

職業・出典 平均年収 年収詳細
ソムリエ
(Indeed)
4,166,628円 時給 1,460円
月給 295,004円
ソムリエ
(求人ボックス)
390万円(正社員) 平均時給
派遣社員:1,275円
アルバイト・パート:1,001円
ソムリエ
(転職ステーション)
378万円 -

求人サービス各社の統計データから、ソムリエの平均年収は370万円~400万円ほどがボリュームゾーンと推定できます。

飲食店などに雇われて勤務する場合には、雇用形態のほか、実力によっても収入には大きな差が出るでしょう。

経験を積み、スタッフを束ねるポジションに就くことで、昇給している人も多いようです。

ソムリエの手取りの平均月収・年収・ボーナスは

各社の統計データをみると、ソムリエの平均年収は350万円前後で、月額の給料は25万円~30万円ほどになるでしょう。

ホテルや大手企業の飲食店に務める場合には社会保険が完備されていることが多いため、社会保険料や税金などを差し引いた手取り月給は、21万円~24万円程度と推定できます。

ボーナスの支給状況は勤務先によって異なりますが、ボーナスが別に出る場合には、手取りはもう少し少なくなるでしょう。

個人経営の飲食店ではよほどの繁盛店以外ボーナスの支給がないか、あっても業績に応じて少額のみということもあります。

また、社会保険に加入できないことが多いため、自分で国民健康保険や国民年金に加入し、給料から保険料を支払わなくてはなりません。

一人前となり基本給が上がるまでは、厳しい生活となることも珍しくありません。

ソムリエの初任給はどれくらい?

ソムリエのような専門職は、経験やスキルによって給料が大きく変わる職業です。

料理人やパン職人パティシエバーテンダーなど飲食に関わる職業に広くいえることですが、「見習い、修業期間」とみなされる新人のうちは給料が低く、一人前になるとようやく平均的な収入がもらえると考えておいたほうがよいでしょう。

ただし、「一人前」になるまでの時間は人によって異なりますし、本人の努力次第ともいえます。

実務未経験でソムリエ(正社員)として働き始めた場合の初任給は、15万円~20万円ほどが相場となるでしょう。

ソムリエは、ただワインの知識を持っていればよいだけでなく、高いサービススキルや、ホールを上手に切り盛りしていくスキルなどが求められます。

これらは現場で働くことによって身につくものであるため、現場経験がない場合にはアルバイトからのスタートとなり、手取り月給にすると15万円以下になる可能性も考えられます。

ソムリエの勤務先の規模別の年収(令和4年度)

ソムリエの年収は、勤務先の規模が大きくなるとやや高くなる傾向があります。

10〜99人規模の事業所に勤めるソムリエの平均年収は308万円、100〜999人規模は318万円、1,000人以上の規模では351万円、10人以上規模の事業所平均は330万円となっています。

ソムリエの年収(規模別)_r4

上記グラフの基タイトルは「飲食物給仕従事者」でホールスタッフ、飲食店店員など他職業を含むデータです。

賃金構造基本統計調査より作成。本統計は調査の母数が少ないため、必ずしも実態を反映していない可能性があります。

ソムリエの勤務先の年齢別の年収(令和4年度)

ソムリエの年収は、年齢が上がってもあまり変わらない傾向にあります。

全年代の平均年収は330万円となっています。

ソムリエの年収(年齢別)_r4

上記グラフの基タイトルは「飲食物給仕従事者」でホールスタッフ、飲食店店員など他職業を含むデータです。

ソムリエの福利厚生の特徴は?

ソムリエの福利厚生は、勤務先によって異なります。

飲食業界では、個人経営の店を中心に福利厚生が整っていない場合もありますが、ソムリエは比較的規模が大きな店舗に勤めるケースが多いため、ある程度の福利厚生が期待できます。

とくに大手企業が経営するホテルのレストランで正社員として働く場合は、社会保険完備、各種手当(通勤手当、残業手当、資格手当など)は設定されることが非常に多いです。

また、場合によっては国内外への出張(ワインの買い付け・生産地調査など)や、研修会への参加を会社負担で行えることもあります。

一方、規模の小さな店舗になると、あまり福利厚生が充実していないケースも見受けられます。

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ソムリエの給料・年収の特徴

飲食業界の中ではやや高めの給料

ソムリエの給料は、勤務先や勤務地域、経験によって異なるためひと括りにはできないものの、300万円~400万円程度がボリュームゾーンと考えられます。

飲食業界はあまり給料・待遇がよくないといわれることも多いですが、ソムリエの場合、高級ホテルや規模の大きなレストランに勤めるケースが多いです。

したがって、一般的な飲食店勤務の人よりはやや高い水準の給料が見込めるでしょう。

しかしながら、ずば抜けて高給取りといえる人も決して多くないのが現実です。

この仕事は勤務時間が長く、長時間にわたる立ち仕事をこなし、なおかつお客さまへの気遣いが求められる、心身ともにハードな仕事です。

ソムリエの仕事を心から愛していないと、なかなか長く続けられない人も多いです。

資格と経験の両方が重視される

ソムリエには資格があるため、この職業でプロフェッショナルを目指すのであれば、やはり資格を取得することが望ましいです。

とくに難しい上位資格を取得すれば、貴重な人材として勤務先から重宝されますし、給料アップや資格手当の上乗せなども期待できます。

しかし、いくら資格を取得していても、身につけた知識・スキルを現場で発揮できなければ、ただの宝の持ち腐れになってしまいます。

お客さまへのスマートな接し方や会話の進め方など、現場でしか身につかないことも多いため、一流ソムリエになるには、勉強とあわせて地道に経験を積んでいく努力が求められます。

知識とスキルの両方を高いレベルで存分に発揮できるようになると、ソムリエとしての評価が高まり、収入も上がっていきます。

ソムリエの勤務先別の給料・年収

ホテルのレストラン

ホテルのレストランにおいて、ソムリエは欠かすことのできない重要な役割を担います。

フランス料理やイタリア料理などにはワインが不可欠であり、たとえ素晴らしい料理を提供しても、それに合うワインを用意できなければ残念に思うお客さまが大勢いるからです。

したがって、ホテルの西洋系のレストランでは常に複数人のソムリエを配置し、高いレベルでの接客・サービスを提供できるように準備しているところが多いです。

そのようなホテルでは、ソムリエに対して階級分けがされていることもあります。

一例ですが、新人は一般の「ソムリエ」として入社し、経験やスキルを身につけていくと「シニアソムリエ」へと昇進します。

さらにスキルアップするとチーフの補佐を務める「アシスタントチーフソムリエ」となり、最終的には後輩のソムリエたちを管理する「チーフソムリエ」のポジションに就くといった例です。

ホテルによって役職名が異なったり、昇進のしくみが異なったりすることもありますが、多くのスタッフが動くだけに、上下関係と指示命令系統がハッキリしている場合が多いです。

ポジションを上げていくごとに給料はアップし、入社1~3年ほどの新人と、10年以上働いているベテランとでは、年収に数百万円の差がつくこともあります。

企業が経営する飲食店

街のレストランやバーでも、ソムリエは多数活躍しています。

そのうち、企業が経営するレストランに勤める場合には、その企業の社員として店に立ちます。

勤務する店の大きさにもよりますが、比較的大型の店では複数のソムリエがおり、新人からベテランまで経験・スキルが異なる人たちが協力しながら活躍しています。

正社員であれば固定給が支給されるケースが多く、年収は300万円~400万円程度が平均と考えられますが、ポジションが上がるごとに収入はアップします。

多店舗展開をしている企業に就職した場合には、別の店への異動が発生するケースもあります。

個人経営の飲食店

個人経営の飲食店におけるソムリエの立ち位置はさまざまです。

経営者(オーナー)がソムリエを兼務して1人だけで働いているケースもありますし、ワインバーなどワインを専門的に扱っている店舗では、複数のソムリエが在籍していることもあります。

また、オーセンティックバーで働くバーテンダーが、カクテルやウイスキーなどに加え、ワインに関する深い知識を身につけて業務に生かすために、ソムリエ資格まで所持するケースも多く見られます。

いずれの場合も、個人経営だとホテルや大手企業が経営する飲食店ほど、給料や待遇面が安定していないことが多いです。

正社員の場合、給料は固定給でも社会保険は用意されていなかったり、通勤手当や制服貸与くらいの待遇しかない場合もあったりします。

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ソムリエが収入を上げるためには?

ソムリエは、ホテルや、ある程度の規模の大きさがある飲食店に勤務するケースが多いため、飲食業界における給料・待遇はよいほうだといえます。

しかしながら、世の中のさまざまな職業と比較してみると、誰もが特別に高収入を得られるものでもありません。

とくにソムリエの場合、勤務できる店舗が飲食店の中でも一部に限られることや、拘束時間が長くなる特徴があり、生活にゆとりをもって安定して稼げる人はさほど多くありません。

さらに、サービス業であるため景気の変動も受けやすいです。

経営基盤が安定していない店舗に勤務した場合、順調に集客できているときはそれなりの収入が得られても、状況が悪くなれば給料ダウンやボーナスカット、もっと最悪の事態になると、店そのものが廃業になる可能性も現実的にあり得ます。

「水商売」という言葉の通り、なかなか安定して高収入を得るのは難しい職業ですが、実力・能力を高めて大きな評価を得れば、世界的に活躍できるチャンスも得られます。

たとえばソムリエコンクールで入賞して有名ソムリエとなれば、一流店から引き抜きの声がかかるかもしれません。

また独立志向が強ければ、自分でワインバーをプロデュースすることもできますし、メディアへの露出を増やしたりすることで、徐々に収入を増やせるでしょう。

この世界で成功したいのであれば、地道な努力が結果に結びつくと信じて、厳しい修業時代を乗り越えていく覚悟が必要です。"