サッカー選手の育成システム

学校のクラブ活動を中心としたルート

今から20年前、日本のサッカー少年の夢は、高校サッカー選手権に出場してJリーガーになることでした。

Jリーグ創設前のサッカー界では、ほとんどのサッカー少年が地域のスポーツ少年団や小学校でサッカーを始め、中学、高校のクラブ活動をしました。高卒後は大学に進むか、企業チームに就職するか、クラブチームでプレーを続けるかという選択でした。

今も、Jリーガーには高校や大学でのクラブ活動を経てプロ契約した選手が半数以上います。また、現在でも、学校のクラブ活動は日本のサッカー選手にとって主要なルートとなっています。

プロクラブの下部組織による育成システム

今のサッカー少年の夢は、Jリーガーを経て欧州のビッグクラブでプレーすることです。そして、日本代表に選出されてW杯で優勝することになっています。

20年間でこれだけ大きく変わったのは、Jリーグ創設後、全国的に構築された育成システムが深く関わっています。

Jリーグの各クラブは、小学生年代(ジュニア)、中学生年代(ジュニアユース)、高校生年代(ジュニア)の下部組織をもつことが義務づけられています。

たとえば、日本最大の下部組織をもつ横浜Fマリノスは、小学3年生以上の小学生と中学生年代でそれぞれ2チーム、高校生年代で1チームを持ち、約3000人が在籍しています。

こうしたJリーグのプロクラブが30の都道府県に40チームあります。小学生の場合、地域や学校のチームに所属する選手と、クラブの下部組織に所属する選手の割合は、およそ半々となっています。

日本サッカー協会によるトレセン制度

日本サッカー協会は、10歳〜20歳の選手を対象とした「トレセン制度」と呼ばれるエリート養成制度を作っています。

日本サッカーの強化、発展のため、将来日本代表として世界で活躍する優秀な素材を発掘することを目的とし、チームとしての強化より、個々の選手のレベルを高めることを目的とした制度です。

トレセンは、末端から順に「市町村トレセン」、「地区トレセン」、「都道府県トレセン」、「地域トレセン」、そして、「ナショナルトレセン」とピラミッド型で構成されています。

それぞれのレベルのサッカー協会が担当地域の中から「原石」を見つけて選抜し、トレーニングや試合を行います。

一般に、トレセン選考のポイントとしては次のような点が挙げられています。
・キック、トラップなどの基礎技術がしっかりできること。
・足と頭だけでなく、手や上半身も柔らかく使ってプレーできていること。
・ゲームの流れを読みながら、ポジショニングやプレーできること。
・味方選手に対してコーチングができること。
・身体能力がずば抜けて高いこと。
・礼儀や態度がきちんとしていること。

日本サッカー協会は、2050年までのW杯で優勝することを目指しています。そして、日本のサッカー選手の育成ルートは、すべてがW杯優勝につながっているといわれています。