手話通訳士に必要なこと、求められること

高い手話の技術を持っていること

手話通訳士に手話の高度なスキルが求められるのはいうまでもないでしょう。

手話通訳士は手話での会話が問題なくできた上で通訳する技術が必要であるため、基本はもちろん、高度な手話のスキルが必要なのです。

最低でも3年間の手話学習が必要であると考えておきましょう。

ちなみに3年間の手話学習経験は、手話技能検定の1級の受検目安であるとされています。

この検定は手話通訳の技能をはかるものではありませんが、手話に関して十分な知識があり、技能も一定レベルに達していなければ合格することはできません。

自分の実力を知る方法としてこの1級合格を目指すのもよいでしょう。

幅広い知識や教養を持っていること

手話通訳を行う場面は教育現場であったり、文化施設であったり、裁判所であったりと多種多様です。

手話に限らず、通訳者は、自分が理解できることしか通訳することができません。

通訳を行う場面でやりとりされる言葉について理解していなければ正確に情報を伝えることができないのです。

したがって、手話通訳士には幅広い知識や教養が要求されます。一般常識や世間の動向などの幅広い情報に目をむけて知識を深めておくことが必要です。

どの場所に呼ばれても対応できるように、日頃から向学心を持って過ごすようにしましょう。

話し手の意図を的確につかみ、整理して伝える

通訳の対象は必ずしも話の上手な人ばかりではありません。ときには何を伝えたいのか理解しがたい話し手の言葉を通訳しなければならないこともあるでしょう。

そのため、手話通訳士は話し手が「何を言いたいのか?」を正確に理解し即座に察知する能力が必要です。

その上で、聞き手に分かりやすいように整理した上で伝達することのできる資質が求められます。

それと同時に、聞き手の立場も考えなければなりません。

聞き手が幼い子どもである場合は難解な表現を平易にし、高齢者の場合は外来語をなるべく和語に直すなどの工夫をしながら通訳する必要があります。

話し合う双方が何を求めていて、何を伝えたいのかを正確に理解したうえで、手話通訳士の私情を挟まず公正な判断のもと交渉のサポートを行なう能力が求められるのです。

福祉に対する強い情熱

手話通訳士は聴覚障害を抱えた人々のコミュニケーションを円滑にするために尽力する立場です。

したがって、耳の不自由な方の生活を深く理解し、彼らをサポートしたいという強い熱意を有していることが最低条件です。

耳の不自由な方を深く理解するためには、まず福祉の基礎知識を学ぶ必要があります。

これは専門の教育機関や書物等で学べるものです。

次に、実際に耳の不自由な方の立場や心情を理解するために、実際に福祉施設等で触れ合う機会を持つのも大切なことです。

手話通訳も一種のコミュニケーションです。耳の不自由な方への深い理解がなければ成り立たないものであると考えておきましょう。

手話で通訳する技術

「手話で会話ができること」と「手話で通訳ができること」は似ているようでまったく異なります。

手話通訳士に求められているのは後者の能力です。

当然、前者の能力を十分に持った上で、音声語を手話にまた、手話を音声後に同時に通訳ができる技術の習得は決して容易なことではありませんが、これを自在に行えてこそ、手話通訳士。

基礎を大切にしながら、積極的に実践経験を積み、実力をつけましょう。