小説の歴史

政治批判や社会批判が原点

小説の歴史とは古く、原点に遡れば中世のシェイクスピアに行き着きます。出版法がまだ制定されていなく、人々は政治や社会に不満があってもそれを公にすることができませんでした。また、政治批判、社会批判は国の批判につながり、政府が出版を許していないこともありました。

すると、人々はどのように自分が考えている政治批判や社会批判を公衆に伝えようかと考えるのです。そこに小説という媒体が生まれました。

つまり、小説というフィクションの世界を書き、そこで比喩表現や間接的な表現を用いて、一見読むだけだと分からないように国家の批判を織り交ぜたのです。

最初の小説家は誰かなどは分かりません。現在に残っていない無名の小説家でしょう。しかし、往々にして小説家の中でも最も古い部類に属するのはチャールズ・ディケンズですね。

ディズニー映画にもなった「クリスマスカロル」が有名です。おもしろい会話調や文章表現で読者を楽しませます。世界文学と言えば小難しい小説をイメージしがちですが、ディケンズの作品はくだけた表現なので、最初に読むにはおすすめの作家です。

戯曲から発展

もともとは戯曲家が発展して小説家となったとも考えられています。戯曲家とは主に舞台で演じる台本を書く人々です。有名なのは「ロミオとジュリエット」のシェイクスピアや「ファウスト」のゲーテでしょう。

そしてゲーテと同じ時代に出現したのがドストエフスキーです。「罪と罰」や「カラマーゾフの兄弟」などが有名ですね。彼はロシアの小説家で、のちに文豪とも呼ばれ、自分自身天才と自負し、当時世界でも有名だったゲーテに対しても、「私の作品を読めば、ゲーテですら頭を垂れるだろう」と言っているほどです。

しかし彼も先駆けであるディケンズは尊敬していました。

このように、ドイツ、ロシアと次いでアメリカにも小説が派生していきます。フィッツジェラルド、ヘミングウェイ、カポーティなどが有名ですね。カポーティの作品ではオードリー・ヘプバーンが主演した「ティファニーで朝食を」が有名です。

日本の小説家

日本では太宰治、夏目漱石、芥川龍之介、川端康成、そして現代では大江健三郎、三島由紀夫などが挙げられます。

日本の小説の歴史はそれほど古くもないため、世界からの評価は厳しいものでした。アメリカの作家で「日本に小説家と呼べる人は大江健三郎と三島由紀夫くらいだね」と批判した方もいるほどです。

しかし、ここからはご存知の通り、村上春樹がカフカ賞を受賞し、大江健三郎に次ぐノーベル賞の候補に選ばれており、村上春樹の小説は世界でも読まれるようになりました。

小説の歴史を紐解けば、当時の社会、政治背景に結びつくのがおもしろいです。