小説家坂井 希久子さん

1977年、和歌山県和歌山市生まれ。同志社女子大学 学芸学部 日本語日本文学科卒業。2002年、作家を志し、勤めていた京都の通販会社を退職し上京、小説講座の門を叩く。2008年「虫のいどころ」で第88回オール讀物新人賞受賞。著書に『コイカツー恋活』『羊くんと踊れば』がある。

座右の銘:五里霧中

HP:坂井希久子のブログ『たまごの日々』

小説家を目指そう思ってから、デビューまでの経緯を教えて下さい。

だいたい20代半ばから、小説の公募にちょこちょこ応募していたんですけど、2次選考までは行くんですけど、どうも最終選考には残らないので、どうしたものかなと思って、小説教室の門を叩いたんですね。

そこで、他人の目が入ることによって、いろいろな勉強になり、ちょっとずつ最終選考にも残るようになってきたんです。

私、オール讀物新人賞を受賞したんですけど、新人賞受賞の前に2回最終選考に残ってたんです。受賞した回も合わせて、ぽんぽんぽんって3回残ったんですよ。

3度目の正直ってずっと言ってたんで、獲れてだいぶほっとしましたね。あれで、獲れてなかったら3度目の正直ってなんなんだって思っていたと思うんで。

賞を受賞して小説家になるまでに、何か苦労したことはありますか?

なってからも苦労してますけど…。独りよがりにならないこととか、あまりにも客観的に書き過ぎると、文章が乾いてしまって、人に届かないようになってしまう気もしますし、その辺の兼ね合いは、かなり苦労して書きましたね。

あとは自分がおもしろいと思うものが、人がおもしろいと思うかどうかわからないので、テーマとか題材とかですかね。

小説家の仕事のやりがいを感じるのはどんな時ですか?

のたうちまわって書いている時は、本当になんでこんなことやっているんだろうって思うんですよね。大変だし、地味だし、地道だし。地味とか地道とかすごく嫌いなんです。

なんか、ノッてない時は「あれ?こんなんでいいのかな?」とか思いながら書いてますしね。なんか、結構、このシーンちょっといいかもって力が入り出すと楽しい時もありますけど。

でも、やっぱり書き上がった時とか、すごくこのシーンが書きたかったっていうものが書けた時が、もう、本当になんていうんだろう、喜びとは違った変な高揚感。

そういうものってなかなか小説以外に得られないんですよね。多分、それが好きでコツコツずっと書いてます。

では逆に、仕事での悩みはありますか?

常に悩んでいますが、もう少し早く書けるようになりたいですね。書くのが遅いので。

それと、もっと才能があれば良いのになあとか思います。小説の内容についてもどうしようかって、すごく悩みますけど…。先の展開であるとか、構成だとか、人物の設定だとか、そういうところでの悩みは半端なくあります。

作品に対する悩みはたくさんありますが、あんまり仕事に対する悩みはないかもしれないですね。