小学校教員資格認定試験の難易度・必要な勉強時間を解説 独学で合格できる?

小学校教諭の免許状を取得するには、一般には大学等の教職課程を修了することが必要とされますが、このほか「小学校教員資格認定試験」に合格することでも、小学校教諭の「2種免許状」が与えられます。

小学校教員資格認定試験の合格を目指すメリットは、短期間かつ安価で小学校教員免許を取得可能なことです。

ここでは、小学校教員資格認定試験の概要や受験資格や難易度、合格率などについて解説します。

小学校教員資格認定試験とは

一般的に、教員免許を取得するためには、大学等の教職課程を修了することが必要とされます。

しかし、小学校教員資格認定試験に合格した人は、教員の資質、能力があるとみなされ、小学校教諭の「2種免許状」が与えられます。

この試験は、あくまでも免許を取得するための資格試験であり、学校の採用試験ではありません。

実際に小学校教諭として働くためには、別途、小学校教師採用試験(公立:自治体の試験、私立:各学校の試験)に合格することも必要です。

小学校教師採用試験の難易度・合格率・倍率

小学校教員資格認定試験のメリットは、短期間かつ安価で小学校教員免許を取得可能なところです。

大学に進学した場合、国立であっても数百万単位の学費が必要ですが、小学校教員資格認定試験の場合、大学への進学は不要となります。

また教職課程では必須とされる教育実習も不要なため、働きながら小学校教員を目指す人にとっては、魅力的だといえるでしょう。

なお、この資格試験で取得可能なのは2種免許です。

将来的に1種免許を目指す場合は、2種免許取得後(5年以降)に、大学での追加単位履修が必要です。

小学校教師になるには・必要な資格や免許は?

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小学校教員資格認定試験の受験資格

教員資格認定試験を受けるには、以下の2つの条件を満たす必要があります。

小学校教員資格認定試験の受験資格
  • 高卒以上であること
  • 受験年度における4月1日時点の年齢が「20歳以上」であること

上記のほか、以下のような人も受験可能です。

  • 大学(短期大学を含む)に2年以上在学し、かつ62単位以上を修得した者および高等専門学校を卒業した者、並びにこれらの者と同等の資格を有すると認められる人
  • 中卒で「高等学校卒業程度認定試験」に合格している人

小学校教員資格認定試験の難易度・勉強時間

小学校教員資格認定試験は1次試験と2次試験で構成され、各試験とも6割以上の得点率が合格には必要とされています。
 
過去問は文部科学省のHPに公開されており、まずは過去問をやることが勉強の基本となります。

とくに「教職教養」に関しては出題の範囲が広いため、過去問から傾向と対策を掴みましょう。

また、問題の大半は、学習指導要領からの出題です。これを暗記するレベルで読み込むことも大切です。

一部の予備校では公務員対策コースとして、対策授業を開催していますが、一般的には独学で受験する人が多いとされています。

勉強時間に関しては、個人の学歴、地頭により異なり、明確に何時間とはいえません。

しかし、合格者は1日平均で3~4時間程度の勉強時間を確保していたという調査データもあり、ある程度の勉強時間を確保しなくてはならないでしょう。

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小学校教員資格認定試験の合格率

小学校教員資格認定試験の合格率は公式には非公開です。

しかし、教職業界のなかでは合格率は10%程度といわれています。

決してやさしい試験とはいえませんが、しっかりと的を絞った対策をすることで十分合格圏内に入ります。

一発合格する人も多い試験です。

令和5年度 小学校教員資格認定試験の概要

試験日 ・第1次試験:令和5年7月30日(日)
・第2次試験:令和5年10月28日(土)及び10月29日(日)の2日間
試験地 第1次試験:東京近郊及び大阪近郊(7月頃に認定試験ホームページにおいて公表)
第2次試験:東京近郊会場にて実施予定
受験資格 高等学校を卒業した者,その他大学(短期大学及び文部科学大臣の指定する教員養成機関を含む。)に入学する資格を有する者で,平成15年4 月1 日までに生まれたもの
試験科目

一次試験

<教科及び教職に関する科目(Ⅰ)(筆記試験 択一式)>
「教育の基礎的理解に関する科目」及び「道徳,総合的な学習の時間等の指導法及び生徒指導,教育相談等に関する科目」に関する専門的事項

<教職に関する科目(Ⅱ)(筆記試験 択一式)>
小学校の各教科の指導法及びこれに付随する基礎的な教科内容(小学校の10 教科の中から,「音楽」,「図画工作」,「体育」のうち 2 教科以上を含む6教科をあらかじめ選択して受験する)

二次試験

<教科及び教職に関する科目(Ⅲ)(筆記試験 論述式)>
小学校の各教科に関する専門的事項及び指導法 (小学校の10教科の中から1教科をあらかじめ選択して受験する)

<教科及び教職に関する科目(Ⅳ)(実技試験)>
「音楽」,「図画工作」,「体育」のうち,第 1 次試験において受験したものの中から 2 教科をあらかじめ選択して受験

<口述試験>
小学校教員として必要な能力等の全般に関する事項

指導の実践に関する事項に係る試験

小学校教員として必要な指導の実践に関する事項
→授業観察,指導案等作成,討論等
※科目免除規定あり

合格率 出願者数、合格者数、合格率等は非公表
合格発表 第1次試験,第2次試験,指導の実践に関する事項に係る試験の全てに合格した者を令和5年度小学校教員資格認定試験の合格者とし,独立行政法人教職員支援機構から本人宛てに,合格者には合格証書を,不合格者には試験結果通知書を令和5年12月20日(水)に発送し,合格者の受験番号を認定試験ホームページに掲載
受験料 25,000円
詳細情報 文部科学省 教員資格認定試験

小学校教員資格認定試験のまとめ

小学校教員資格試験の受験資格は高卒以上で、かつ、受験年度の4月1日の時点の年齢が20歳以上であることが条件です。

また、「大学(短期大学を含む)に2年以上在学し、かつ62単位以上を修得した者および高等専門学校を卒業した者、並びにこれらの者と同等の資格を有すると認められる者」にも受験資格があります。

小学校教員資格試験のメリットは、短期間かつ安価で小学校教員免許を取得可能というところにあるといえるでしょう。

試験は1次試験と2次試験で構成され、各試験とも6割以上の得点率が合格には必要とされています。

合格者は1日平均で3~4時間程度の勉強時間を確保していたようです。