小学校教師と中学校教師の違い

小学校教師と中学校教師の仕事内容の違い

 

指導内容の違い

小学校教師中学校教師の大きな違いとして、「担任制度」か、それとも「教科担任制」か、が挙げられます。

小学校教師は基本的に、1人の教師は1つの学級だけを担任し、授業や生活面の支援も自分の担任する学級にて行います。

また、すべての科目を教えることが原則です。

ただし、多くの学校では低学年を除き、音楽や図工などの一部教科は、担任をしていない他の教師に任せている場合も多いです。

一方、中学校教師は、自分の専門とする科目のみを教えることを基本とし、担当科目についての授業は、1年生から3年生までのすべての生徒を対象に行います。

加えて、どこかの学級の担任か副担任を受け持ち、ホームルームや給食、清掃については自分の担任する学級で行います。

そのため、担任する学級内で何か問題が起きたときは、生徒指導の教師とともに解決に乗り出します。
 

部活動の指導に関する違い

中学校教師の場合、原則的にすべての教師がどこかの部に所属して指導を行います。

なかには授業と同等、あるいはそれ以上に部活動に力を入れている教師もおり、中学校での業務内容における部活指導の割合は大きいです。

体育会系の部は早朝練習もあるため、教師も7時くらいには出勤しなければなりません。

放課後も毎日のように16時から18時くらいまで部活動を行います。

また、休日も試合などで1日つぶれることも多くあります。

一方、小学校教師の場合、地域によって部活動を行っているところとそうでないところがあります。

名前も部活動とはいわず、「スポーツ少年団」や「クラブ活動」といっている学校もあります。

部活動を行っている学校でも、中学校のように部の数は多くはないため、希望する教師など数人の教師が部活動を担当します。

休日はたまに試合や練習試合があり、教師も参加しますが、中学校ほど活動時間は長くありません。

中学校教師の仕事

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小学校教師と中学校教師のなる方法・資格の違い

 
小学校教師になるには、教職課程のある学校で教職課程を修了し、小学校教員免許を取得しなくてはいけません。

小学校教諭普通免許状には、「1種」「2種」「専修」がありますが、一般的には大学で取得できる1種免許状を取得します。

一方、中学校教師になるには、教職課程のある学校で教職課程を修了し、教科別の中学校教員免許を取得する必要があります。

こちらも「1種」「2種」「専修」がありますが、小学校教師と同様、大学で取得できる1種免許状を取得する人が多いようです。

なお、小学校教師に限っては、教職課程を取っていない一般大学・短大の学生も、教員資格認定試験を受けることで教員免許を取ることができます。

小学校教師も中学校教師も、教員免許取得後、公立の場合には各都道府県などで実施されている教員採用試験、私立の場合には各小学校の教員採用試験を受験します。

小学校教師と中学校教師の資格・必要なスキルの違い

 
中学校教師は全教科をほぼ一人で担当する小学校教師とは違い、国語や数学などの専門科目のみを受け持ちます。

そのため、資格も教科別の免許となっており、より専門性の高さを要求されます。

生徒・保護者・学校にとって、高校受験は大きな関心事となるため、いかにわかりやすい授業・指導を行えるかも重要なポイントとなります。

一方、小学校教師の場合、基本的にすべての科目を1人で担当するため、オールマイティな能力が求められます。

たとえば、ピアノを弾けないという小学校教師志望の学生もいますが、教職課程在学中は空き時間などにピアノを練習し、子どもたちの歌の伴奏ができるようにしていく必要があります。

ほかに、水泳、鉄棒、裁縫、料理などの実技も一定レベル以上の能力が求められてくるため、教師になってからも苦手を克服するために練習をする教師もいます。

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小学校教師と中学校教師の学校・学費の違い

 
小学校教師も中学校教師も、短大、大学、大学院のいずれかの教職課程を修了し、各々必要な免許を取得しなくてはなりません。

小学校教師と中学校教師で学費に大きな違いはないものの、進学先や学部により費用が異なってきます。

国立大学の場合、入学金・4年間の学費合計目安は240万円程度です。

私立大学の場合、大学、文系、理系でその学費は異なります。

入学金・4年間の学費合計目安は私立文系で330万円前後、私立理系で450万円前後です。

大学卒業後、大学院に進学した場合、さらに2年分の学費がかかります。

なお小学校教師も中学校教師も大学に進学し、1種免許を取得する人が多いものの、短大や通信過程でも取得は可能です。

勉強期間の短さや、勉強を一人で進める大変さなどはありますが、学費面では安く抑えることができます。

小学校教師と中学校教師の給料・待遇の違い

 
公立学校で働く場合、小学校教師も中学校教師も地方公務員としての採用になります。

そのため、定期的な異動などもあります。

給料は小学校教師も中学校教師も同じで、その平均月収は428,548円(平均年齢43.9歳)です。

公務員の場合、昇給もあるほか、ボーナスもあります。

退職金制度、福利厚生制度も充実しているため、待遇はよいほうでしょう。

私立学校の場合、小学校教師・中学校教師ともに、給料・待遇は勤務先ごとに異なります。

一般的には私立よりも公立のほうが、給料は高く、福利厚生などの待遇もよいとされています。

なお小学校教師、中学校教師ともに多忙で残業が多く、勤務時間は100時間に迫る人もいるようです。

しかし、教師の残業は例外的な場合を除き自主的なものとみなされ、残業代は支給されないことが多くなっています。

小学校教師と中学校教師はどちらがおすすめ?

 

小学校教師に向いている人

小学校教師は人間形成の土台にある子どもたちを見守る存在で、子どもに対する愛情がないと務まらない仕事です。

また、中学校に比べて家庭との距離が近く、保護者との関係づくりも大切な仕事になります。

自らの教育理念をしっかりと持ち、保護者に対して誠実に対応をすることが求められます。

強いていえば、観察眼が鋭く、広い視野を持つタイプの人は、小学校教師に向いているといえるでしょう。

こうした能力があれば、学級運営に役立てることができるほか、受け持ちクラスにいる児童一人ひとりの性格、家庭環境にあわせた指導につながります。

中学校教師に向いている人

一方、中学生は精神的に不安定になりがちな時期で、思春期特有の問題が起こりがちです。

そのため、中学校教師は多感な生徒のさまざまな感情を受け止める包容力と、豊かな人間性が必要となってきます。

授業に関しては、担当科目に対する専門知識があるだけではなく、高校受験に向けて、わかりやすいと感じるようにしていかなければなりません。

中学校教師の場合は、小学校教師よりも学習の専門性が高まることから、人に教えることが好きで、日々教え方の工夫ができるタイプの人が向いているでしょう。

もちろん、小学校教師も中学校教師も子どもに対する深い愛情、コミュニケーション能力が求められることは共通しています。