消防団員に給料はある? 入る方法や仕事内容も紹介

消防団員の仕事内容

町を守るボランティア集団・消防団員

消防団は消防組織法第6条に基づき、それぞれの市町村に設置される消防機関であり、自分の住む地域の安心と安全を守るために組織されている団体です。

消防団の特徴は地域の消防防災のリーダーとして、地域に密着して活動を行う点にあります。

基本的な仕事は火災時の消火活動、大規模災害時の消火活動・救命活動を行うことです。

また、平時にはどのような現場でも冷静に対応することができるように消化・防災訓練を行っています。加えて各家庭を訪問しての防火指導や応急手当の普及活動も行っています。

近年では増加する高齢者世帯へ訪問することで、何か変わったことがないか、災害時にはどのような援護が必要なのかを把握することも消防団員の大事な仕事のひとつになっています。

消防団員になるには

地域の消防防災のリーダーになるには

消防団の入団資格は、市町村ごとに条例で定められているため一概には言えませんが、一般的には以下の通りです。

  1. 18歳以上
  2. 市町村に居住している
  3. 市町村に勤務している人

また、消防団員の応募方法は以下になります。

  1. 総務省消防庁HP*から、地域の消防団を探す
  2. 消防団に直接メールや電話で問い合わせをする
  3. 問い合わせ先の消防団の案内に従って、入団手続きをする

参考:総務省消防庁HP

消防団員というと男性しかなれないイメージがありますが、近年は女性の消防団員も増加しています。

消防団員の身分は非常勤特別職の地方公務員です。

ですから、通常は消防団員の身分の他に仕事を持っている方がほとんどです。

会社員や自営業者だけではなく、主婦や学生も消防団員になることができます。

消防団員の給料・年収

消防団員は基本ボランティア活動

消防団員には自治体から年額報酬が年額数万円支給されます。また災害活動または訓練に出動した際には出動手当として1回あたり数千円程度が支給されます。

具体的な金額は自治体により異なりますが、年額報酬は36,500円、出動手当は1回あたり7,000円程度です。

また上記以外にも退職時には退職報償金が支給されます。退職報償金は消防団での身分・勤続年数によって異なります。

加えて消防団員には公務災害補償の加入と制服が支給されます。

参考:総務省消防庁HP

消防団員のやりがい、楽しさ、魅力

地域愛に満ちた仲間を作ろう

消防団員は地域の安全と安心を守るという崇高な目的をもった活動をしているため、仕事はやりがいに満ち溢れています。

消防団員は地域の人々に感謝され、胸を張って「消防団員です」といえる仕事です。

また消防団員の魅力はやりがいのある仕事というだけではありません。

地域に根差した人脈を作ることができることも消防団の大きな魅力になっています。

消防団に所属することで、同じ地域で同じ志を持つ人たちとの交流を持つことができます。

消防団員のつらいこと、大変なこと

消防団活動で大変なこととは?

消防団の仕事は火災で燃え盛る建物の消火活動をしたり、災害時に救命・救済活動をしたりと、時には命を落とす可能性があるほど危険な仕事です。

ですから平時からの訓練が重要になります。訓練は自治体にもよりますが、週1回など定期的に行われています。

本業の仕事と掛け持ちしながら、訓練を行うことは体力的にも時間的にも大きな負担になります。

また消防団員は年々減少しているため、一度消防団に加入すると、途中で辞めにくくなっています。

消防団員の向いている人、適性

消防団員に向いている人とは?

消防団員に向いている人は地域を愛し、地域の安全・安心を守りたいという志を持っている人です。

入団資格を見てもわかるように、18歳以上の地域の住人であれば、だれでも消防団員になれます。特別な資格は必要ありません。

消防団員の適正は健康で一通りの消防訓練ができる人が最適ですが、近年では女性の消防団員が増加しています。

女性は高齢者の訪問など、個人の適性に合った仕事が消防団にはあります。

ですから体力的に心配がある場合でも消防団員になることができます。

消防団員の志望動機・目指すきっかけ

地域の防災活動を担う消防団員

消防団員になるきっかけで一番多い理由は「地域のために活動したい」という志から消防団に加入する方です。

消防団に加入し、地域の防災のリーダーとして地域の安全や安心を守っていきたいという方向きの職業といえます。

また、田舎の自営業の方などは、地域に根差した人脈を作りたいという動機から消防団に加入するケースも多くみられます。

近年は少子高齢化が進行し団員の確保が困難になってきているという事情もあり、学生や主婦も消防団に加入数ケースもみられます。

消防団員の雇用形態、働き方

緊急時に現場に直行し活動する

消防団員の身分は「非常勤特別職の地方公務員」です。

勤務形態は基本、火災発生時や災害発生時などの緊急時に直接現場に駆けつけて、消防・防災活動を行うというスタイルです。

また、平時でも消防訓練や地域の防災活動などを行います。

消防団員は消防団員という身分だけで生計を立てることはできないため、ほかに本業を持った人が緊急時に消防団員として活動しています。

ですから、「兼業」で消防団に加入しているといった人が一般的です。

消防団員の勤務時間・休日・生活

非常勤勤務で緊急事態に出動

消防団員は非常勤ですので休みや勤務時間といった形式にとらわれない勤務形態になります。

具体的には火災や災害が発生したときに、自宅や勤務先から現場に直行して消火・防災活動を行うことになります。

普段の生活は地域に密着した防災活動のリーダーとして地域で活動します。出初式での表彰伝達も消防団員の大事な仕事です。

また火災予防運動週間や歳末特別警戒週間では地域の防災意識の向上のために地域を巡回するといった広報活動も行っています。

消防団員の現状と将来性・今後の見通し

大幅に減少する消防団員数

消防団の現状は厳しいといえます。

最盛期には全国で200万人存在した消防団員ですが、現在は約85万人と大幅に減少しています。

今後も少子高齢化が進行するにつれて、消防団員数も減少していくと考えられます。

今後は成人男性だけではなく、学生や主婦といった層の消防団への加盟が消防団員減少への対策になります。

学生や主婦が加入しやすいよう、組織や仕事内容を変えていくことが消防団に課された重要な課題といえます。