消防士の専門系採用

専門系の消防士とは?

消防士採用の区分は通常、どの自治体においても「Ⅰ類(大卒程度)」「Ⅱ類(短大卒程度)」「Ⅲ類(高卒程度)」といった試験の難易度別で分けられていますが、東京消防庁ではこれらの区分に加えて「専門系」という区分での採用を行っています。

専門系消防官とは、高度の消防行政を担う中枢職員として、専門区分での知識を活用できる部署での活躍を期待しての採用区分となっており、いわゆる「幹部候補」としてのキャリアを歩みます。

専門系の採用試験では、大卒程度の一般教養に加えて「化学、法律、通信など」に関する専門知識が問われます。

しかし、災害現場での消防活動に従事する消防官という点では、その他の消防官と違いはありません。

専門系で採用された場合、配属先の消防署では、最初の数年はその他の消防士と同じく新人として実践的な訓練を受け、その後は事務や広報を中心とした業務に携わりながら、キャリアを積み上げていくのが一般的です。

消防士の専門系採用の概要

東京消防庁では、専門系消防官の採用要項を以下のように発表しています。

受験資格

大卒以上。21歳以上29歳未満

採用人数

10名程度(年度によって異なります)

試験形式

筆記試験(大卒程度の一般教養に加え、法律、化学、電気、通信に関する専門知識を問う記述式試験)、論文

試験時期

毎年6月

専門系消防官が東京消防庁にしかいないのはなぜ?

専門系消防官の採用枠は毎年10名程度と限られており、狭き門となっています。

採用者の一部は、将来的に消防本部の幹部吏員や消防総監のポストに就きます。

つまり、専門系消防官は国家公務員でいうところの「キャリア組」となります。

総務省消防庁職員などの国家公務員のキャリア組の場合、いわゆる国Ⅰ(国家公務員試験Ⅰ種)に合格した後、霞が関の中央省庁で採用され、そのまま事務次官までの幹部コースを登ることになります。

しかし、東京消防庁の場合は各自治体の消防署を統括する役割がある反面、地方公務員の組織となるため、国Ⅰのような幹部養成コースがありません。

そこで、高度な知識と技能を備えた専門系消防官を別枠で募集し、幹部候補生として扱うようになったという背景があるようです。