とにかく読む! 書店員は勉強し続けなければいけない仕事

書店員勝間 準さん

昭和56年、大阪府出身。大学卒業後、スーパーに正社員として就職。その後、契約社員として書店員に転職する。大阪にて同じ書店員である、ジュンク堂書店に正社員として転職。その後、関東の書店に配属される。現在はMARUZEN&ジュンク堂書店 渋谷店にて文芸書売り場を担当している。

書店員の仕事内容を教えて下さい。

基本的な仕事としては、その日に出る新刊や、売れている本を棚に並べたり、売れている本の発注をしたり、レジや接客をしたりです。

うちの書店は書籍数や種類が多く、お客様からも「この本ありますか?」という問い合わせも多いので、そういった対応も多いです。出版社の方が来られたりしたときには、新刊の案内を聞いたり、新刊の発注数を決めたりなどの対応もします。

書店員の一日の流れを教えて下さい。

朝、書籍が入って来るので、まずは商品を出します。商品を並べながら、途中でレジに入ったり、お客様や出版社の方の対応をします。また、昼から新刊が入ってくるので、それも並べます。その間も時間があれば売れている書籍の発注などをします。

お客様の問い合わせ対応などもあるので、なかなか自分の思っているように仕事は進まない部分もありますね。

勝間さんが書店員になられた経緯を教えて下さい?

昔から特に漫画が好きだったんで、よく読んでいました。

大学卒業後、どうしようかなと迷いながらも、スーパーで正社員として就職しました。スーパーで働いている時、たまたま別の書店さんですが、契約社員を募集していたので、応募したところ採用となりました。その書店は漫画の取り扱いがない店だったんですが(笑)

ただ、その書店は良く売れるお店で、いろいろなお客様に自分のオススメしている本を買ってもらうのはすごく嬉しくて。

ずっと書店で働きたいと考えている時に今の会社で正社員を募集していたので応募し、採用となりました。その後、関東のお店に配属になり、現在は渋谷店で働いています。

書店員としてやりがいを感じる時はどういった時ですか?

自分のオススメする本がいろいろな人に売れると嬉しいです。

ジュンク堂ならではなんですけど、やっぱりこれだけ本の点数が多いので、お客様の探している本って大体あるんです。お客様のお望みする本をお渡しすると、お客様は喜ばれるので、そこがすごく嬉しいです。

「どこに行ってもなかったのにココに来たらあった!」って言われるのは、やはり、やりがいを感じます。

現在、勝間さんのオススメする本はありますか?

オススメというよりは、最近良いと思う作家さんなのですが、朝井リョウさんですね。全般的にどの作品も好きです。残念ながら、直木賞は受賞を逃してしまいましたが。

個人的には「星やどりの声」がオススメです。あと、直木賞候補にもなった「もういちど生まれる」なんかもいいです。高校が舞台ですし、学生さんやこれから高校を卒業する子とかにも読んでもらいたい作品ですね。

芥川賞、直木賞、候補作は全て読んでいますか?

ある程度は読んでいます。候補が出てから発表されるまでの期間も短いので、全部読むことはできないですが、今回も芥川賞、直木賞3作ぐらいは受賞前に読みました。

一応、毎月出ている文芸誌などでチェックしていますので、芥川賞などは候補時に書籍になっていないものでも、家に帰って読んだりしています。

文芸誌を買うとちょっと先読みできるので、先に読んでおけば新刊が出た時に売りたいなと思えば、少し多めに頼んだりもできますし。

書店員としての苦労や悩みはありますか?

ずっと勉強しなきゃいけないってことじゃないですか。ずっと読んでいかなきゃいけないです。古いものも、新しいものも。

やっぱり、漫画しか読んでこなかったんで、始めは全般的にわからないことが多かったです。今もそうなんですけど、いろんな本をなるべく読むようにはしていますね。

やはり、ジュンク堂なんかは、さっき言ったように点数が多いので、同じ文芸書でも日本文学とか、古典とか、海外の文学もあるので。

書店によって違うんですが、ジュンク堂では古典文学の棚や、あとは国語の授業で習うような、近代作家太宰治や芥川龍之介などの文芸評論の棚もあったりもします。作家さんの名前も、現代の作家さんだけじゃなく、昔の作家さんも覚えたり、やはり勉強が大変です。

話は変わってしまいますが、電子書籍が普及しようとしている今、今後の書店業界はどうなっていくと思いますか?

先行きは不安ですね。こうやって働いていると紙の書籍を求めるお客様が多いので、完全に電子書籍には移らないと思うのですが…。難しいですね。

電子書籍が普及しても、書店でどう提案をしていくかですね。売る側としては両方盛り上がっていけばいいですよね。共存できればいいと思うのですが。

あとは、もう、絶版になってしまった本などは電子書籍になると読まれたりもするんじゃないでしょうか?そういう話も聞きますしね。印刷するとなるとお金がかかってしまいますし。

電子書籍だとリーズナブルに読めるというメリットがあるといいと思います。本を読む人が増えて、電子書籍で読んだ後、紙で読みたいと言う方もいらっしゃるかもしれません。

京極夏彦さんなんかは、紙も電子書籍も両方出していますよ。京極さんのファンはコレクションしたいと思う方もいると思いますし、そういった風に、上手く両方共存できればいいと思います。

勝間さんの夢や目標はありますか?

文芸書を担当して4年目なのですが、まだまだ未熟な部分は多いと思っています。文芸書や昔の名著、近代の作家さんの本、海外文学をもっと読んで勉強し、文芸書を極めたいというのはあります。

うちには他の店舗にですけど、もっと長く文芸書担当をやっている方もたくさんいるので。

MARUZEN&ジュンク堂書店さんとしての、将来の展望はありますか?

本を読む人が増えて、本自体が売れることが一番です。今までと同じく、これからもお客様の求める書籍を置いておきたいですね。

最後になりますが、書店員を目指す方にメッセージをお願いします。

書店員を目指しているのであれば、本をすでに読んでいると思いますが、ずっとこれからも読み続けて下さい。昔の名著を読み、今の話題の本を読み、とにかくたくさん読んで下さい。

あと、本は重いので体を鍛えておいて下さい(笑) 書店員は結構体力勝負なので。

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