食品衛生監視員の仕事内容

食品衛生監視員の役割と仕事内容

食品衛生監視員は、食品衛生法などの法令に基づき、食の安全を確保する役割を担う仕事です。

国および保健所を設置する自治体には、必ず食品衛生監視員を置くことが義務づけられており、私たちが口にするあらゆる食品の安全を厳しくチェックしています。

食品衛生監視員は、国家公務員として厚生労働省検疫所で働く人と、地方公務員として各自治体の保健所等に勤務する人の2パターンがおり、それぞれ仕事内容も若干異なります。

検疫所での仕事

検疫所で働く食品衛生監視員の仕事は、以下の3種類に分けることができます。

1.輸入食品監視業務

食品を海外から輸入する際に必要となる「届出書」のチェックを行い、食品衛生法に適合しているか等を審査し、必要に応じて輸入業者に対する指導を行います。

また、多種多様な輸入食品の食品衛生上の状況を幅広く監視する目的で、「輸入食品監視指導計画」に基づくモニタリング検査のためのサンプリングを行います。

2.検査業務

病原微生物や寄生虫等に関する微生物検査と、残留農薬や残留動物用医薬品、添加物、有毒有害物質等に関する理化学検査を実施します。

3.検疫衛生業務

海外から来航する船舶や航空機、またその乗組員や乗客に対して検疫を行い、国内に常在しない感染症の病原体が海外から侵入することを防止します。

病原体の検査を行い、患者を発見した場合には、隔離や消毒等の防疫措置を講じます。

保健所での仕事

保健所で働く食品衛生監視員の仕事は、以下の5種類に分けることができます。

1.飲食店等の営業施設の許可事務

飲食店を営業したり、食品を製造、販売する場合に必要となる「営業許可」や「届出」のための実地調査を行います。

食品衛生法などに基づき、営業施設が許可基準に合致しているかを厳しくチェックします。

2.営業施設に対する監視と指導

営業施設に立ち入り、監視、指導、調査、検査などを行うほか、食品が基準どおりに製造されているか、温度管理がきちんと行われているか、さらには施設や設備の衛生状況についての監視や指導を行います。

なお、食品衛生監視員には、試験検査を行うために、必要最小量の食品や添加物などを無償でサンプリングする権限も与えられています。

3.食中毒等の調査

食中毒や食品による事故の被害拡大防止と、再発防止への措置を行います。

万が一、食中毒等が発生した場合には、関係者や医師の協力を得て調査を行い、原因となる食品の販売を禁止したり、食中毒を起こした施設の営業を停止するといった行政処分を行います。

4.食品の検査

営業施設からサンプリングした食品の検査を行い、食品衛生法で定められた基準や規格が遵守されているかの確認を行います。基準に違反していることがわかった場合には、販売禁止などの処分を行います。

5.食品に関する苦情や相談への対応など

市民から、流通している食品に関する苦情や相談が寄せられた場合に、その原因の調査や再発防止策を講じるほか、食品関係営業者に対し、講習会などを通じて食品衛生に関する知識等を普及します。

勤務先、活躍の場

食品衛生監視員は、全国の自治体や検疫所を中心とするさまざまな場所で活躍しています。

上記に挙げた業務以外にも、卸売市場の検査所で衛生監視や検査を行ったり、厚生労働省や各都道府県等の本庁で、食品衛生行政に関する業務を担当する人もいるなど、「食の安全」という観点からさまざまなことを行っています。

平成23年度時点では、全国の都道府県、政令指定都市、中核市、保健所設置市には約7,500人の食品衛生監視員がおり、厚生労働省(検疫所を含む)でも約400人が活躍していると発表されています。