市役所職員に必要な心構えは? どんなことが求められる?

市役所職員は安定した職業であることや地域に貢献できる仕事であることから非常に人気があります。

一方で、市役所職員としてやっていけるのか、市役所職員に向いているのか悩む方も多いでしょう。

この記事では、公務員に必要なことや求められることを紹介します。

市役所職員を目指す方は参考にしてください。

市民に寄り添う姿勢

市役所職員に求められる最も基本的なことは、「市民に寄り添う」という姿勢です。

常に「市民の生活をどのように改善できるか」という視点を持ち、行動することが大切です。

特に現在は、国から各自治体に多くの権限が移譲され、自治体主導の地方行政が求められている時代です。

このような状況の中で、市役所職員は地方行政の最前線で活躍し、市民の悩みや希望を正確に把握し、それに適した住民サービスを充実させることがますます重要となります。

また、市民の本音を理解するためには、市民と積極的に関わり、ときには難しい意見であっても真摯に受け止める姿勢が求められます。

さらに、日々の社会の変化に注意を払い、他の自治体が実施した施策内容を学びながら、自身の専門知識を深める努力も欠かせません。

自治体主導の時代においては、地域住民や市全体の抱える課題を素早く把握し、適切な施策を計画し、迅速に実行できる人材が重宝されています。

厳しい財政状況のなかで欠かせない「コスト意識」

住民サービスや施策を実行する際に、忘れてはならないのは「コスト意識」です。

市の財源の基盤は市民の税金ですが、多くの自治体では財政の余裕が限られています。

この背景には、少子高齢化による人口減少が挙げられます。

地域の人口減少は直接的に「税収の減少」という問題につながり、そして今後もこの人口減少は続く見込みです。

このような時代の中で、「自治体の税金の使い方」について市民からの厳しい評価がされています。

施策が市民のためになるものであっても、その実行にかかる費用と成果が見合わない場合、市民からの不満が高まる可能性があります。

そのため、市役所職員は、投資対効果をしっかり考えることが求められています。

「どれだけのコストをかけて、それに対してどれだけの効果が期待できるのか」という観点を重要視し、市民が納得するような住民サービスを提供する努力をすることが重要です。

嫌われがちな業務で「責任感・忍耐力」も必要

市役所職員の仕事は、地域の課題を解決する施策の考案や新しい住民サービスの提供など、目に見える華やかな部分だけではありません。

特に事務系の市役所職員は、窓口対応や事務手続きなど、地道な業務が業務の大部分を占めることが多いです。

たとえば、滞納している税金の徴収連絡や、条件を満たさない場合の窓口での申し込みに対する断りなど、ときには市民からの反発を受けることもあるかもしれません。

苦情を受けた際には、まずは市民の不満や意見を真摯に受け止め、共感し、市民の声に耳を傾ける姿勢を示す必要があります。

しかし、市役所職員はそのような状況でも屈せず、市民と対話し、納得してもらえるまで努力することが求められます。

そのため、強い責任感と忍耐力が不可欠です。

地道な業務を通じて地域社会に貢献するためには、常に誠実さと専念が求められます。

地域の問題を解決する力

市役所職員は、地域の課題に対して創意工夫をし、効果的な解決策を見つける能力が求められます。

人材や予算面で都合がつかないことや、双方の意見が折り合わないことも多くあるため、柔軟な思考で問題に取り組むことが重要です。

たとえば、子供たちの安全な遊び場が不足しているという要望があったとしても、予算の制約や土地の状況により、新しい遊び場を設置することが困難な場合があります。

そんなときには、まず地域の人の声を聞き、状況を把握、分析します。

そして、他の自治体が同様の課題にどのように対処したか、遊び場の設計や管理に関する情報を収集します。

それらを踏まえて、新しい遊び場を設置するのではなく、既存の施設や空間を利用できないか、民間で余っている土地を開放できないかなど柔軟なアイデアを考え、他部署と相談しあいます。

このように、地域の住民や関連する部署と連携し、意見を共有し合いながら問題に向き合っていきます。

そして状況が改善されてからも、利用状況や市民の声に注視し、必要な場合は調整や改善を行います。

担当者や一つの部署だけでは解決が困難なことも多いため、複数の部署や職種と連携し、チームワークで解決することも重要です。

説明やプレゼンテーションの能力

行政サービスの内容は複雑で難しい場合があり、自分では理解していても住民が理解できないこともあります。

また、近年では外国人が居住する場合も多く見られ、異なる言語や文化を持つ人々にも理解してもらう必要があります。

そのため市役所職員には、物事をわかりやすく説明するスキルが求められます。

  • 専門的な用語や複雑な言い回しを避け、シンプルな表現を心がける。
  • 法律や手続きなどのわかりにくい内容を、日常生活のシチュエーションに置き換えて説明するなど、具体例を挙げて説明する。
  • 図や図解、グラフやチャートを活用して視覚的に説明する。

などといった工夫をすることで市民や外国人住民が内容を理解しやすくなり、行政の透明性と利便性を向上させることができます。

市役所職員に必要な心構えのまとめ

市役所職員は地域に密着した仕事が多いため、住民の生活に寄り添った姿勢が求められます。

市民対応などで苦労することもあるかもしれませんが、市役所職員としての自覚を持ち、誠実な対応をすれば、徐々に市民からも信頼を得られていくでしょう。

市役所職員を目指す人は、ぜひこの点について意識してみてください。