司書の需要・現状と将来性

司書の現状

 

司書の現状には厳しいものがあります。

まずは「入り口」、つまり採用の時点で苦労をすることが多いのです。

司書の正規採用は非常に稀で、公立図書館で司書として働く場合は各自治体の公務員試験(一般行政職)に合格しなければなりません。

その上で、図書館に配属されなければ「司書として働きたい」という希望は叶えられないのです。

次に、給与です。正規職員として働くことが難しいとなると、パートなどの嘱託職員として勤務することになります。

他の職種でも同じことがいえますが、正規採用でなければ手取りの収入はぎりぎり生計を立てられるか否か、という状態です。

さらに、給与は少なくても業務は多忙、という図書館が多く、ただ「本が好きだから」という動機では続けていくのが困難といえるでしょう。

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司書の需要

図書館は、人々の暮らしに密着した施設となっており、そこでは必ず司書や司書補が必要とされます。

図書の貸出・返却、新着本の配架準備、レファレンスサービスなど、司書が担うべき仕事はさまざまあり、図書館の適切な運営のためには不可欠な存在だといえます。

今後も図書館がなくなることは考えられませんから、司書や司書補の需要はあるといえます。

ただし、司書は採用人数が決して多くないため、どうしても司書として働きたい場合は、公共や私立の図書館で働く司書、つまり「図書館司書」以外の道も視野に入れてみることをおすすめします。

たとえば、学校図書館に勤務する「司書教諭」や「学校司書」を目指すという方法もあります。

もちろん、これらの採用も狭き門ではありますが、少しでも可能性を広げるといった意味では、幅広く司書として働ける場について調べてみるとよいでしょう。

司書の将来性

 

IT化が進み、図書館に行かなくてもインターネットに接続できる環境であれば、知りたいことを自ら調べられる時代になりました。

これは、図書館の必要性を感じない世代を生み、人々の図書館離れが進む要因だと考えられています。

こうなると、図書館の専門職である司書の存在も揺らいできます。

また図書館内でも、以前は司書が手作業で行なっていた事務処理を、パソコン・プリンターが代わって迅速に済ませるようになりました。

マニュアル通りの手順で機械の操作ができれば、司書の資格がなくても資料整備や書籍管理が可能なのです。

実際に、司書資格を持っていなくても、司書以上に図書館業務に精通して活躍している非正規職員も大勢います。

司書の将来性に関しては不透明であることを覚悟したほうがよいでしょう。

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司書の今後の活躍の場

司書というと「カウンター業務をする人」というイメージが強いかもしれませんが、実は司書の仕事は、もはや貸出・返却業務やリファレンスサービスなどの利用者対応をするだけではなくなってきています。

各図書館のサービスが多様化し、図書館や本に親しんでもらうためのイベントを開催する図書館も増えています。

たとえば、市民への読み聞かせ会、子ども向けの図書館ツアーなど、さまざまな企画がなされているのです。

とくに高齢化社会を迎えている現代では、高齢者を対象としたイベントに力を入れる図書館も増加傾向にあります。

こうした多様な図書館のサービスを中心的に提供していく専門スタッフとして、これからの時代は新しい形の司書の活躍が期待されています。