【2023年版】神職・神主の資格

神職になるための資格、階位

神社を中心とした日本の神々を信仰する「神道」は、古代日本に発祥した宗教です。

信仰は各人の心をよりどころとするため、極端にいえば、自分で神社を建てて装束を着て神職を名乗れば、誰でも神職になることができるともいえます。

しかし、そのようなケースは現実的にはほとんどありません。

全国各地にある神社の大半は、およそ8万社の総本山となる「神社本庁」という組織に所属しています。

神社本庁では独自の規定により神職資格(階位)を定めており、神社本庁傘下の神社に奉職するためにはこの階位取得が必要となります。

階位の種類
  • 浄階(じょうかい)
  • 明階(めいかい)
  • 正階(せいかい)
  • 権正階(ごんせいかい)
  • 直階(ちょっかい)

一番下の位が「直階」で、最も上の位が「浄階」です。

全国にある神社のおよそ90%が神社本庁によって包括されています。

それ以外の神社は、神社本教など他団体への所属や、単一で宗教法人化しているものが中心です。

それぞれの神職には独自の呼称や形態もありますが、神社で神職に就く場合は、神社本庁が定める階位に準ずる場合がほとんどです。

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階位取得の方法

階位を取得する方法は、おもに以下の通りです。

神職資格課程を有する大学を卒業する

國學院大學と皇學館大学の2つの大学には、階位取得を目指すことができる専門学科があります。

4年間で所定の単位を取得すると「正階」が取得でき、さらに実習を受けて成績優秀であることが認められれば「明階」の取得も目指すことができます。

國學院大學と皇學館大学は、通常の入試を突破すれば誰でも入学が可能です。

神社運営の神職養成所を修了する

日本全国に6か所ある神職養成所の課程を修了した上で階位検定試験に合格することでも、階位が得られます。

ただし、養成所入所には神社本庁からの推薦状が必要です。

推薦状は現職の宮司を通して発行されるため、社家以外の人には難しい方法かもしれません。

神職養成所については、以下の記事で詳しく紹介しています。

神職・神主になるには? どんな養成所や大学がある? 通信教育でも目指せる?

神職養成通信教育を修了する

一般財団法人大阪国学院が実施している通信課程を修了し、試験に合格すれば階位取得ができます。

ただし、通信課程を受けるには、以下の条件を満たす必要があります。

  1. 階位取得後に奉職する神社が決まっており、当該神社の宮司および神社が鎮座する都道府県神社庁長の推薦が得られること
  2. 年齢25歳以上65歳以下であること
  3. 高等学校卒業以上の学歴を有していること

階位検定講習会を受講、試験に合格する

國學院大學、皇學館大学の2大学や各神社庁では、毎年、「正階」「権正階」「直階」という3つの階位についての検定講習会が実施されています。(※ただし神社庁では直階、権正階のみ)

この講習会を受講し、検定に合格すると階位が取得できます。

これも神社本庁からの推薦状が必要であるため、社家以外で受講を考えている人は奉職先を先に見つけておき、そこの宮司から神社本庁に申請してもらうことになります。

階位検定講習会については、以下の記事で詳しく解説しています。

神職・神主になるには

階位と神職の「出世」

神社には必ず宮司が置かれる

神社の規模や地域などによって、奉職している神職の数もまちまちです。

観光地としても名高い大きな神社であれば多くの参拝客が訪れるため、かなりの人数の神職が職務にあたります。

一方、地方の小さな神社であれば一人で切り盛りしているようなところもあります。

なお、その神社の責任者として運営を取り仕切る神職のことを「宮司(ぐうじ)」と呼びます。

神社には必ず宮司が置かれなければなりません。

時々見かける無人の神社にも常駐していないだけであって必ず宮司は存在し、このような神社の宮司は他社の神職が兼務している場合がほとんどです。

神職には階位とは別の「職階」もある

宮司は、前述の階位とはまた違う役職順位を表す職階の最高区分です。

職階は宮司の次に「禰宜(ねぎ)」「権禰宜(ごんねぎ)」と続いていきます。

一定の階位を所持していなければ職階を得ることはできません。

基準は神社の規模によってまちまちですが、明階を持っていれば伊勢神宮以外のどの神社でも宮司を務めることができます。

なお、明階までは所定の研修を受けることで昇進が可能です。ただし、浄階に限っては名誉階位という位置づけになります。