宮司とは? 役割や仕事内容をくわしく解説

宮司は神社の代表取締役

「宮司(ぐうじ、みやづかさ)」とは神職や巫女をまとめる神社の責任者のことを指します。各種祭祀を執り行う際は宮司が責任者を務めます。

また、神社の社務や神職・職員の管理者でもあるため、一般の職業に当てはめると代表取締役、社長であると考えて差し支えありません。したがって宮司は一つの神社に一人しか置かれません。

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宗教法人の役員も務める

全国にある約8万近くの神社は「神社本庁」と包括関係を結んでいます。神社本庁とは神宮(伊勢神宮)を本宗とし、日本各地の神社を包括する日本の宗教法人のことをいいます。

神社本庁は日本最大の神社統括組織であるため、全国のほとんどの神社が加盟しています。中には他団体に所属している神社や無所属の神社もありますが少数派です。

その神社本庁が定めた全国神社の基本的規範を成文化した「神社本庁憲章」で「宮司は一社の長として、祭祀を管掌し、社務をつかさどり、神社の信仰と伝統の護持に努める。」と定められています。

したがって各神社の宮司の任免は神社本庁の管轄です。

また、宮司は宗教法人としての神社の代表役員を兼ねます。これも神社本庁に任命権があります。つまり、宮司は各種祭祀の責任者であるだけではなく、法人事務をとりしきる存在なのです。

法人化された神社の場合、代表役員である宮司の他に3人以上の責任役員を置くことが義務付けられています。

責任役員は氏子や崇敬者の中から適任者が選ばれますが、あくまで法人を運営する立場であり、神事に関わることに関しては一切権限がありません。

宮司は神職の職階の一つ

宮司という呼称は神職という職業に従事する中での職業的な階位を表します。一般企業における「社長」や「主任」にあたるものであると考えて下さい。

神社本庁では、「階位検定及び授与に関する規程」により、上から「浄階」「明階」「正階」「権正階」「直階」の5つの階位区分を定めています。

明階までは所定の研修を受ければ取得が可能で大学の神道学科を卒業すると自動的に正階が得られます。宮司は一部の神社を除き、権正階以上の階位を有していなければ任命されません。

また神社本庁は、「神職身分に関する規程」を定めており、上から特級・1級・2級上・2級・3級・4級という身分を区分しています。

昇級は基本的に各都道府県神社庁支部からの推薦によります。別表神社と呼ばれる一部の神社の宮司の場合、階位は明階以上、身分は2級以上と定められています。

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宮司不在の神社もある?

神社本庁の包括神社が全国に約8万社あるのに対し、全国で宮司を務めている神職は約1万人ほどであるといわれています。さらに神職の総数を合わせても約2万人ほどしかいません。

つまり、神社の数が神職の数を上回っているのです。そのため、いわゆる地域の鎮守様と呼ばれるような小さな神社には神職が常駐していません。

しかし、このような無人の神社にも必ず宮司がいます。

実は全国の多くの宮司は一社だけではなく、複数神社の宮司を兼務しているのです。普段奉仕している神社を本務神社、それ以外で宮司などを務めている神社を兼務神社などと呼びます。

中には、本務神社では宮司の下位の職階である禰宜(ねぎ)、兼務神社では宮司、と神社によって職階が違う場合もあります。

春や秋は祭祀の多い季節であるため、一人の神職が1日に何社もはしごして奉仕することも珍しくありません。