心理学者のつらいこと・大変なこと・苦労

心理学者のつらいこと・大変なこと

一人前になるまで時間がかかる

心理学者は、研究一本で生計を立てていくことが大変です。

大学であれば講師、研究所であれば所員、企業であれば心理職に就くことで心理学者と名乗ることができますが、これが非常に狭き門です。

いくら研究者として実力があったとしても、タイミングが合わなければ然るべきポストに就けないということも珍しくありません。

非常勤雇用など不安定な身分で、勤務先以外のところで教鞭をとったり、臨床の現場でカウンセラーをしたりしながら研究をする場合もあります。

心理を研究するということ

人間の心を研究対象とする学問であるだけに、研究の苦労は他の学問と比べ物にならないものがあります。

日々変化し続ける人間の心理に対し、一定の結論を出して理論づけするには膨大な時間がかかります。

その上、苦労の末に導き出した結果が覆されてしまうこともあります。

生身の人間を研究することは骨が折れるものですが、これを楽しみと感じられないと心理学者を続けていくのは難しいでしょう。

理系科目の克服

大学で心理学を学ぼうとすると、多くの場合は文系の学部に進むことになります。

その一方、心理学の研究は理系の知識がなければ成り立たないのが現実です。

心理を研究し法則や療法を導き出したい場合、複数の人間を対象にした調査を行うことになりますが、これには統計の知識が必要になってきます。

また、人間の心は脳にあるため、その仕組みを完全に理解しなくては心理学を研究することができません。

このように、文系でありながら理系の要素が多分にある心理学の研究者は、身に付けるべき知識が多岐に渡っているため、その分の苦労が多いといえます、

とくに文系の学生の場合、理系科目に強い苦手意識を持っている人も多く、大学入学後にその克服に苦労する学生も少なくありません。

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心理学者の悩み

研究対象との距離の取り方

心理学者は、研究対象を人間の心理としているため、臨床の現場であらゆる人に関わりを持つことになります。

関わる人の中には、心身に病を抱えた人も少なくなく、そういった人たちに治療の意味も含めて心理学的なアプローチをしていきます。

その際には細やかな配慮が不可欠です。

一挙一動が心身の状態を良くすることも悪くすることもあるため、緊張感を保ちながら接する必要があります。

また、対象となる人の中には重度の精神疾患を抱えた人や罪を犯してしまった人など対応が非常に難しい人も含まるため、意図が上手く伝わらず歯がゆい思いをすることもあるでしょう。

多くの心理学者は、対象となる人との距離の取り方やコミュニケーションの仕方に日々悩みながら、研究を続けています。

自分の研究と業務内容との間のずれ

心理学者は、心理学の細分化された分野のうちの一つを専門とし、テーマを絞って研究を進めていくことになります。

その一方で、勤務先では自分の研究以外の業務も行わなければなりません。

自身の研究と業務との間に多少のずれが生じることは避けられないことを理解しておきましょう。

例えば大学で教鞭を取る場合、専門外の心理学の概説を教える場合もありますし、演習等で専門外のテーマを選択してきた学生を指導することもあるでしょう。

研究所に勤務している場合でも、依頼される研究が自身のものとずれることもないとはいえません。

この時、研究と並行して業務を行うことに悩む人も多くいます。