指揮者の仕事とは? わかりやすく仕事内容を紹介

指揮者の仕事とは

演奏家たちをまとめる

指揮者は、オーケストラや合唱団、ビックバンドなどで指揮をとる人のことです。

大勢の演奏者たちをまとめ、1つのグループとして構成するには欠かせない存在です。

曲のイメージを再現する

ステージで演奏される曲には、作曲者が表現したいことや歴史的な背景などさまざまな要素が含まれています。

指揮者は、それぞれの演奏者がどのように演奏すればよいかを支持し、自分が指揮をとる曲のイメージをつくっていきます。

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指揮者の業務の内容

指揮者は演奏者のように楽器の練習をするのではなく、曲の分析とリハーサルでの指示出し、また本番の公演で指揮をとることが主な仕事です。

楽譜を読みこんだり、他のオーケストラが演奏する曲を何度も聞いたりして、曲のイメージを膨らませます。

世界的に活躍する一流のオーケストラでも、それぞれの楽器のパートを完全に把握している演奏者はほとんどいません。

指揮者はすべてのパートの音程、音の強弱、音のニュアンスの出し方などを把握し、自分の求める演奏に近づけるように指示を出していきます。

指揮者の役割

演奏者たちをまとめる

指揮者の役割は、さまざまな個性や楽器を持つ演奏者や音楽家たちの演奏をまとめ上げ、ひとつの作品として完成させることです。

指揮者はしばしば、「映画監督」に例えられることもあります。

映画監督は、まず自身が頭の中でイメージする作品があり、個々の俳優にどのように動いてもらえばその世界が作れるのかを考え、俳優たちに的確に指示を与え伝えていきます。

指揮者も同様で、まずは演奏する曲の分析や研究をし、どのような音楽を作り上げるかを考え、それを個々の楽器を担当する演奏者たちに伝えます。

どれだけ個々の演奏能力が高かったとしても、それぞれがバラバラなイメージを持ち、好き勝手に演奏していては、ひとつの音楽としてはまとまりません。

そこにいる全員の意思を統一させ、一つの世界観を生み出すために導いていくことが指揮者の役割です。

リーダーシップを発揮する

オーケストラ等に所属する演奏者たちは、個々が演奏のプロフェッショナルです。

音楽に対する思い入れやこだわりを持っている人も多いため、指揮者は一人ひとりの性格をしっかりと把握し、上手にコミュニケーションを図りながら、ひとつの作品に仕上げなくてはなりません。

指揮者を信頼してもらえなければ、思い通りに演奏してもらうことは困難です。

逆に、演奏家たちと心を通わせた指揮者がいるオーケストラは、聞く人に大きな感動を与えることができます。

指揮者は個々の価値観や思いを尊重しながら、その能力を存分に引き出せるリーダーシップが求められる仕事です。

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指揮者の勤務先の種類

指揮者は、楽団に所属している人もいれば、個人で仕事をしている人もいます。

しかし、現在、日本で常勤の指揮者がいるオーケストラは30団体ほどしかありません。

正指揮者として活躍できる人はごくわずかなのが現状です。

なかにはアマチュアのオーケストラや楽団を掛け持ちしたり、音楽教室の講師をしたりして生計を立てている指揮者も少なくありません。

指揮者の仕事の流れ

指揮者は公演の出演を依頼されると、すぐに演奏する楽曲の研究に入ります。

何度も曲を聞き、各楽器のパートの音や構成などを把握します。

その後、演奏する楽団と一緒にリハーサルを重ねます。

オーケストラでは、何十人という演奏家たちが集るため、それぞれの人が持つ曲のイメージと指揮者が持つ曲のイメージは、はじめは統一されていません。

何度も練習を繰り返し、演奏家たちとコミュニケーションをとっていくことで、少しずつ演奏のイメージを統一していきます。

指揮者のイメージ通りの演奏を作り上げ、本番で披露する際には自ら指揮をとります。

有名な指揮者

小澤征爾

日本人指揮者として最も代表的なのは、小澤征爾です。

日本人指揮者として初めて、ウィーン国立歌劇場のニューイヤーコンサートで指揮をとるという偉業を成し遂げました。

また、一時期はウィーン国立歌劇場の「音楽監督」に就任するなど、世界的にも有名な指揮者です。

海外でも「OZAWA」の愛称で親しまれ、2015年には芸能分野で米国の文化に大きな功績を残した人に贈られる「ケネディ・センター名誉賞」を受賞するなど、その活躍ぶりは世界中から認められています。

ヘルベルト・フォン・カラヤン

ヘルベルト・フォン・カラヤンは、オーストリア出身の指揮者です。

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の終身指揮者・芸術監督を務めるだけでなく、ウィーン国立歌劇場総監督などの音楽界の主要ポストを独占するほどの実力者でした。

20世紀のクラシック音楽において最も影響を与えた人物とも言われており、日本でも「楽壇の帝王」として親しまれました。

独自の音楽性は「カラヤン美学」と呼ばれ、後世の指揮者にも多大な影響を与えています。