女性の歯科技工士のキャリアパス・結婚後の生活

女性の歯科技工士の現状

歯科技工士は、男性の比率は高い傾向がありますが、昨今ではどんどん女性の歯科技工士が増え、歯科医療現場で活躍しています。

ではなぜ、女性の歯科技工士が増え、またどのようにして歯科の現場で活躍をしているのかでしょうか?

歯科技工士の多くは歯科技工所に就職をし、そこで提携や契約している歯科からくる製作依頼をこなしていきます。

歯科技工所とは、複数の歯科医院と提携をして詰め物や被せ物、入れ歯などの歯科補綴物を製作する作業工房です。

ひと昔前は、製作業であるという側面から、低賃金・長時間労働が問題となることも多くありました。

また、業務の内容も削りかすの粉塵や材料物質などで空気が汚れたり手が汚くなったりする技術者といった、体力、腕勝負の職人系の職業という、女性にとってあまり良いイメージの職業ではありませんでした。

しかし現在は、製作機材や材料の開発、またそれらの進歩により、歯科技工士の就業状況に関するマイナスイメージが大きく改善されてきました。

なかには、専用のソフトが搭載されたパソコンと機械を用い、まったく手を汚さずして歯科補綴物を製作する歯科技工所も増えてきています。

削るなどの大半の作業を機械がやってくれるので時間も短縮できますし、機械の進歩により一定の水準で歯科補綴物を製作することができ、パソコン上の設計や操作ですべてを作ることも可能になってきています。

20代で正社員への就職・転職

20代で正社員への就職を目指す

「Re就活エージェント」は、第二新卒・既卒・フリーター・ニート向けサービス。20代未経験OKの求人が多数。

20代登録比率No.1

女性が働きやすい環境が整ってきた

こうした環境の変化で、以前の職人現場であるイメージが薄れ、女性でも働きやすい医療関係の職業であるイメージが根付きだしたようです。

また、女性の進出を阻んでいた要因のひとつである長時間労働も、機械化や近年の働き方改革などの意識改革により、歯科技工所によってはシフト制で残業があまりないところや都合に合わせて勤務することができるところも増えています。

職人気質で硬派な現場が多かった昔は、離職率が高めの職業でありましたが、近年の職場環境の改善により働きやすく、また女性の歯科技工士が少しずつ増えたこともあいまって、女性の歯科技工士が無理なく仕事ができるようになってきました。

手に職である歯科技工士は、この先も女性が選ぶ職業として、注目される職業のひとつになりそうです。

女性の歯科技工士の強み・弱み

女性の歯科技工士の強みとしては、細かな作業が多い製作業務において、手先の器用な女性は大きなアドバンテージがあることが挙げられます。

口腔内に被せたり詰めたりする製作物は、かなり繊細で完成度の高い仕上がりが求められます。

ほんの1ミリ大きかったり小さかったりすると、その補綴物は患者さんに使うことができなくなります。

そのような製作業務において、指が細く器用な女性は細かな作業で有利な点が多くあるでしょう。

歯科技工士として働く際の、女性であることの弱みはしいてあげるとするならば、やはり体力勝負の仕事であることかもしれません。

長時間集中して繊細な作業に臨まなければいけない歯科技工士の業務では、体力的な側面で男性と比較すると女性の歯科技工士にとってはしんどいと感じる場面があるともいえそうです

20代で正社員への就職・転職

20代で正社員への就職を目指す

「Re就活エージェント」は、第二新卒・既卒・フリーター・ニート向けサービス。20代未経験OKの求人が多数。

20代登録比率No.1

歯科技工士の結婚後の働き方・雇用形態

女性のさまざまなライフステージのなかで、家族の事情などで退職や引っ越しの選択をする女性も少なくありませんが、全国どこへ行っても歯科の需要に偏りがあることはあり得ません。

都会や過疎地などに関わらず、現場経験を積んだ歯科技工士は、いったん退職してしまっても就業先には困ることはほとんどないと考えてよいでしょう。

また、歯科技工士として就職することがなくても、歯科医院やクリニックに就職する際には有利であることは間違いありません。

なお、歯科技工士免許を保有していながら歯科助手としても働く人もいます。

歯科助手はとくに免許などのない、歯科現場でのアシスタント的な役割を担います。

専門の養成機関の授業で治療の流れや専門用語などを習得し、歯科に関する免許を所有した歯科技工士は、歯科助手として臨床現場で働く際にも業務をスムーズに行うことができます。

治療に必要な機材を用意したり洗浄したり片づけたりする業務や、場合によっては受付を担当することもあります。

歯科技工士なら、しっかりと専門的な知識を有しているので、歯科助手の仕事もスムーズに対応しやすいようです。

状況が変わっても、専門職の免許や自らの経験、蓄積したスキルで働き続けたいという人にとっては魅力ある職種でしょう。

歯科技工士は子育てしながら働ける?

歯科技工士は、時短勤務やパート・契約社員など、働き方もさまざまです。

歯科技工所だけでなく、歯科助手として歯科医院やクリニックで働く選択肢にも広げると、さらに働き方は幅が広がります。

歯科技工所で働く歯科技工士は約7割ほどとなりますが、大きな歯科医院や大学病院の歯科技工士室で働く人もいます。

そのような大きい施設は人気が高く就職は難しいですが、そういった事業所であれば勤務時間も比較的決まっていたり、給与面や待遇面でもしっかりしています。また、出産休暇や育児休暇制度が用意されている職場もあります。

歯科技工士の仕事は自分の腕でこなしていく性質のため、多くの医療系職種と同様、結婚や子育てによって一旦現場を離れてしまうと、復帰後にブランクの穴を埋めるのが大変だった、という主婦の声もあります。

パートタイムで仕事を続けられないか相談するなど、頑張って腕を落とさないように仕事を続けられるようにしたいものです。

また昨今、ほとんどの職種で激務といえる医療業界で働く医療従事者に対し、家庭や育児、介護などのワークライフバランスに対する理解が深まりつつあり、それは歯科の分野においても同様です。

大手の歯科技工所だと時間勤務やシフト制になっているところもあります。

歯科技工士免許は一度取得すると更新などの必要がないため、子育てがひと段落ついたブランクのある女性でも職場復帰することが可能です。

家庭や子育てと両立させながら、ママさん歯科技工士として活躍する歯科技工士さんは少なくありません。

歯科技工士は女性が一生働ける仕事?

歯科の技術者である歯科技工士は専門性が高いため、一度退職をしても再び仕事に就ける可能性は極めて高く、またさまざまな働き方や就職先の選択肢があり、再就職に有利な専門職です。

また、歯科技工士は歯科補綴物を製作するための国家資格なので、歯科の免許色である歯科衛生士のように直接患者さんに触れることは禁じられています。

そこで、歯科技工士免許を取得後、さらなる勉強や活躍の場を広げるため、歯科衛生士免許を取りダブルライセンスで活躍する人もいます。

歯科医師の指示の下、患者さんの口の中に直接触れ歯科治療の補助を行うことができる国家資格である歯科衛生士免許を所有していると、直接患者さんの口の中に触れることができ、なおかつそのまま歯科補綴物も製作することができます。

歯科技工士と歯科衛生士のダブルライセンスである場合、仕事内容の幅が広がり歯科医院では重宝されるでしょう。

女性のさまざまなライフステージにおいて、免許や専門性、経験などのスキルを武器に、長く続けていくことができる仕事だといえます。