社会起業家の仕事とは? わかりやすく仕事内容を紹介

社会変革を目指す

社会起業家は、自分が感じた社会の課題を事業を通じて解決することを目指します。

社会起業家による事業は「社会的企業」と呼ばれます。

どれだけの売上や利益が得られたかではなく、社会にどれだけの影響を与えたかが社会起業家の実績となります。

そのため、始めはNPOや市民グループを通した働きかけをすることが多い傾向にあります。

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事業の成功が社会貢献に

例えば、病院に行った時、担当医間で自分の病状が共有されていないことに違和感を感じたとします。

この気付きを原点として、会社を立ち上げ、カルテを関係者が共有できるシステムを確立し、医療機関に働きかけていく、という試みにつなげていくのが社会起業家です。

社会起業家の気付きは多岐にわたっています。

前述のような医療問題、貧困や汚染などに着目した国際問題、森林伐採やCO2排出を危惧した環境問題など、社会の抱える課題の全てが社会的企業を産み出す可能性があるのです。

多様な働き方が可能

社会起業家の仕事はそれぞれの事業内容に応じて異なります。

例えば、風邪などで保育園を休まなければならなくなった子どもを預かることで、仕事を持つ母親が欠勤せずにすむ病児保育事業を行う起業家の場合、利用者やスタッフとの電話及びメールでのやりとりが一日の大半を占めます。

発展途上国の子どもたちが職業訓練を受けられるような学校を運営している社会起業家は、現地の状況を実際に確認するために一年のほとんどを海外で過ごします。

共通して言えることは事業の責任者として現場を把握し、スタッフに適宜指示を与えていくのが社会起業家の主要業務であるということでしょう。

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頭の中には常に新しいアイディア

ボランティアのように寄付金や補助金に頼らず、事業収入だけで社会貢献を行っていく社会的企業は、目的は違えど一般的な企業と運営の形態は変わりません。

安定した収入をもとに持続的な社会貢献を行えるかどうかは社会起業家の手腕にかかっています。

そのため、社会起業家は常に事業に関する新しい構想を描いています。

これも社会起業家の大切な仕事の人であるといえるでしょう。

社会起業家の事業の種類

社会貢献につながるあらゆるジャンルがビジネスに

社会起業家の第一義は事業を興すという手法で社会貢献をしていくこと。

したがって、社会のどの分野に着目しても、問題意識を持ち、独自の発想ができれば、どんなことでも事業になりうるといえます。

前例もなければ、正解もない、自身の裁量が物を言うのが社会起業家という職業の醍醐味です。

ここでは社会的企業の扱う分野として代表的なものをいくつか挙げていくこととします。

貧困

発展途上国において、貧しさから過酷な生活を強いられている人を救うためことを目的とした事業。

貧困サイクルから抜け出せない人に向けて、現地に工場を建設するなどして仕事を提供したり、銀行を設立して自立支援のための融資を行ったりと手法は様々です。

国内においてもホームレスの労働力に着目し、活用することで成功を収めている人もいます。

環境

限られた資源を守り、環境汚染を食い止めることを目的とした事業。

環境に配慮した素材、原料で衣料品や化粧品を作り、世界的な企業になったケースもあります。

売り上げの一部を保護団体に寄付したり、自社で啓蒙活動を行ったりなどの動きも目立ちます。

教育

教育に関するあらゆる問題を解決していくことを目的とした事業。中身が非常に多岐にわたる分野です。

国際的には教育を受けたくても受けられない人たちのために学びの場を提供する企業の活躍は各国で見られます。

国内では発達障害の療育や引きこもりの改善などを目的としたフリースクールを運営するケースがあります。

その他、枚挙に暇がありませんが、まさに行政の盲点を補う役割を果たしているのはいうまでもありません。

福祉

非常に幅広い分野ですが、子ども、高齢者、障がい者といった庇護を必要とする立場の人に対する支援を行う事業も数多くあります。

保育関連では風邪などで保育園に行けない子どもを預かる病児保育を行う社会的企業が大きく成長しています。

高齢者や障がい者に対して雇用機会を作りながら、新しい観点で介護問題に取り組んでいる企業も出てきました。

社会起業家への支援制度

広がる支援の輪

諸外国に比べると、まだまだ発展途上であるとはいえ、国内の社会的企業は目覚ましい成長を遂げています。

この流れを受けて社会起業家に支援を申し出る個人、団体が増えてきました。

行政の盲点を埋め、社会問題に直接働きかける社会起業家に対する期待値は高く、今後も支援の輪はさらに広がっていくことが予想されます。

非営利組織による支援

社会起業支援を目的とした非営利組織による支援は世界的にも主流になっているものです。

その名の通り、社会起業家を支援するための団体でその代表もいわゆる社会起業家に分類される形になります。

アメリカで創設された「アショカ」は2011年の1月に日本支部を設立させ、選出した社会起業家に初期投資を行い、育成しています。

それ以外にも国内で生まれた支援団体も同様にそれぞれの基準で選考を行い、資金援助の他、経営のノウハウを教育するプログラムに参加できるように働きかけるといったような援助も行っています。

基金による支援

社会起業家の支援を目的とした基金の設立も相次いでいます。

民間企業や各種団体が金融機関等と手を組んで設立された基金は公募で志願する社会起業家を募り、厳正な審査のもと、融資を行います。

2013年に日本財団が西武信用金庫と創設した「わがまち基金」は事業の実現可能性と成長可能性を加味し、融資が決定されるため、社会起業家という職業の門戸を大きく広げました。

政府による支援

財務省所管の日本政策金融公庫も2015年に「ソーシャルビジネス支援資金」を立ち上げ、社会起業家に融資を始めました。

特筆すべき点は介護、保育分野の事業者には基準よりも低い金利で融資を行っていることでしょう。

社会的企業には行政でまかないきれない部分を補う役割が期待されています。

この優遇措置からも介護、保育が国の抱える喫緊の課題であることが分かるといえます。

個人による支援

自ら起業するのではなく、賛同する社会的企業に資金援助することで社会貢献の一端を担おうとする投資家や起業家、資産家もいます。

方法としては前述のような非営利団体の募る寄付を行ったり、社会起業家個人との付き合いの中でビジネスパートナーになることを申し出たりなどが考えられます。