高齢化社会における社会福祉の役割

今後10年で70歳以上の高齢者が急増

現在の日本は、歴史上経験のない超高齢化社会に向かっています。第一次ベビーブーマーの人口は1000万人を超え、我が国の総人口の1割近くを占める大きさとなっています。

そのため、今後10年で70歳以上の高齢者人口が急激に増えることが予想され、国の社会福祉政策のなかでも、高齢者福祉への取り組みが最重要視されているのが現状です。

超高齢化社会での社会福祉士の役割

高齢者福祉の分野での社会福祉士の仕事には、

1.公的機関や、老人福祉施設で相談援助業務をおこなうケースワーカー
2.福祉事務所で、複数の公的援助(生活保護と介護保険サービス)を受けている高齢者に対して各機関との調整を行ったり、高齢者に対し行政サービスの情報提供をおこなう老人福祉指導主事

などがあります。

しかしこれからの超高齢社会での社会福祉士の役割はこの2つにとどまらず、より法的な援助をおこなう使命を担っています。

高齢者の財産を守る「成年後見人制度」

成年後見人制度とは、認知症や知的障害、精神障害等により判断能力が不十分になった方の生活や財産を守る制度です。

裁判所が認めた成年後見人が、依頼者本人に代わって財産の管理をおこなうことが主な役割となっています。

成年後見人制度の具体的な内容は以下の通りです。

・年金・保険等の役所への手続き
・老人ホーム・病院との入所・入院契約
・各種福祉・医療サービスの利用契約
・不動産・その他の財産の管理・処分
・相続手続き・遺産分割協議・親亡き後の生活支援
・悪徳商法の被害防止・訴訟手続き
※出所:東京社会福祉士会HP

成年後見人は家族、親族以外では「弁護士」「司法書士」「社会福祉士」などの有資格者が選ばれることが多く、ときには家族と弁護士、弁護士と社会福祉士など、複数で後見人の役割を分担することもあります。

通常ならば、家族からの申し立てによりこの制度を利用することが一般的です。

ですが、社会福祉士が主に担当するのは、「身寄りがない」「DVなどの家庭内問題がある」などの問題を抱える方が多く、市町村が家族に代わって申し立てを行うケースが主です。

そのため、市町村としては、社会福祉のさまざまなニーズに対応できる社会福祉士に「成年後見人」を受任するケースが多いのです。

これから、70歳を超える高齢者が急増することにより都市部では、「独居老人」、「家族と疎遠」「老老介護」など孤立した生活を送る高齢者が確実に増えていくことは間違いありません。

そんな社会となったときに生ずる財産や金銭のトラブルを未然に防ぐためにも、これから成年後見人としての社会福祉士のニーズはさらに増えていくものと考えられます。

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