政治家の年収はいくら? 給料についてくわしく解説

政治家の平均年収・給料の統計データ

政治家は国民の代表として政治を行う人たち全般を指しています。

政治家には国会議員や地方議員という分類がありますが、給料はすべて税金から支払われています。

ちなみに国会議員の給料は「歳費」、地方議員の給料は「議員報酬」と呼ばれています。

政治家の平均年収・月収・ボーナス

国会議員の給料

国会議員の場合は「国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律」で月額129万4000円と規定されています。

これにボーナスに相当する「期末手当」が加わると年収は約2,200万円となり、一般的にはかなり高収入といえます。

また、国会議員は公設秘書を3人(政策秘書、第1秘書、第2秘書)まで雇うことができます。

その給与は国費で賄われるほか、立法事務費、文書通信交通滞在費も支払われるため、少なくとも合計約6,000万円(内訳は下記参照)もの税金が国会議員に支払われています。

<国会議員一人に支払われる年間の歳費・国費>
・基本給+期末手当:約2,200万円
・文書通信交通滞在費:1,200万円(月100万円)
・立法事務費:780万円(月65万円)
・秘書給与:約1,800万円 ※3人雇った場合

地方議員の給料

都道府県議会議員や市町村議員などの地方議員の給料は自治体ごとの条例で定められており、総務省により令和2年に出された「議員報酬の実態と財政支援」によると、

・都道府県議会議員:813,000円
市議会議員:407,000円(東京都特別区を除く)
・町村議会議員:214,000円

という調査結果が出ています。

参考:総務省 議員報酬の実態と財政支援について

期末手当も自治体ごとに変わりますが、統計データが公表されていません。

目安として「市議会議員報酬に関する調査結果(平成30年12月31日現在)」を参照すると、市議会議員の期末報酬は約3~4カ月分支給されているのが分かります。

中間値として年間3.5カ月分の期末手当が支給されるとすると、指定都市の市議会議員の場合は約280万円、その他市議会議員の場合は約142万円という計算になります。

上記で挙げた平均給料と合算すると、あくまでも単純計算の参考値ですが指定都市の市議会議員は約1,200万円、その他市議会議員は約630万円の年収となります。

なお、収入ではありませんが、政策に必要な研修参加費や調査時の交通費に宿泊費、資料の購入費などに対して支払われる「政務活動費」や、議会や委員会などに出席する際の交通費として「費用弁償」も支給されます。

政治家の初任給はどれくらい?

政治家の初任給は法律や条例で決まっている通りで、年齢や経験に関係なく支給されます。

当選初年度が政治家としてのスタートとなるため役職に就くことは考えにくく、法律と条例で定められた下記の月額給料がそのまま初任給となるでしょう。

・国会議員:129万4000円
・都道府県議会議員:平均813,000円(※)
・市議会議員:平均407,000円(※)
・町村議会議員:平均214,000円(※)
※都道府県・市議会・町村議員の報酬は自治体ごとに変わるため平均を記載

政治家の福利厚生の特徴は?

国会議員と地方議員では福利厚生、主に諸手当の待遇が違います。

地方議員に支給される給料以外の手当は研修参加費や調査時の交通費に対して支給される「政務活動費」が主です。

対して、国会議員の場合は以下のように多数の手当が支給されます。

JR無料パス、国内定期航空券

公務でJRや航空機を利用する際に使えるチケット。

調査のための派遣旅費日当

委員会に属している議員が視察などで派遣される際の旅費。

旅費

公務で派遣された場合の旅費が支給される。

弔慰金、特別弔慰金

弔慰金は議員が死亡した際に歳費の16カ月分が遺族に支給され、職務に関連して死亡した場合は特別弔慰金が4カ月分が上乗せして支給される。

公務上の災害に対する補償

公務中に災害に遭った際に支給される。

議会雑費

各議院の役員や特別委員長、参議院の調査会長など特別な役職に就いている場合、国会会期中に限り予算範囲内(最大6,000円まで)で支給される。

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政治家の給料・年収の特徴

増減しない

国会議員、地方議員に関わらず、政治家に支払われる給料や期末手当、諸経費は国民の税金が使われており、支給額は法律や条例で決まっています。

そのため法律や条例が変わらない限り、年齢や経験が関係ないのはもちろん、公務や政策で活躍し成果を出しても給料は増えません。

逆に不祥事を起こしても給料は減らないということですが、国民の代表として選ばれているため、公人として責任のある行動は求められます。

ただし例外的に削減される時もあり、2011年に発生した東日本大震災の際は復興財源を確保するため国会議員の歳費を半年間50万円削減し、その後2014年4月まで歳費の2割を削減しました。

このように特例措置によって減額される場合があります。

自治体によって報酬額が違う

国会議員の給料は一律で支給されますが、地方議員の場合は自治体の規模によって税収が変わるので議員報酬額も変わります。

例えば市の人口が5万人未満の市議会議員の場合、最高額が44.2万円に対し最低額は18万円で25万円以上の開きがあり、町村議会議員になると議員報酬の最低額が3万円(日当制を導入)という自治体もあります。

報酬を目当てに政治家になる人は基本的にいないと思いますが、場合によりほかの仕事との兼業でなければ生活できない政治家もいます。

※市議会議員報酬に関する調査結果(平成30年12月31日現在)より
※町村議会議員の議員報酬等のあり方最終報告(平成31年3月)より

政治家が収入を上げるためには?

政治家が収入を上げるのには何かしらの役職に就くしかありません。

国会議員の場合、議長や国務大臣、究極を言えば内閣総理大臣などが挙げられます。

衆議院・参議院議長は月額217万円、国務大臣は月額146.6万円、内閣総理大臣は月額201万円(すべて諸手当を含まず)が支給されます。

地方議員も同様に役職に就くしか収入を上げる方法はありません。

自治体の規模によりますが、市議会議員を例にすると議長の平均報酬月額は51.7万円、副議長の平均報酬月額は45.7万円となっています。

また、地方議員の場合は知事や市長を目指して収入を上げる方法もあります。

「平成30年地方公務員給与の実態調査」によると、知事の平均報酬月額は約119万円、市長の平均報酬月額は約87万円となっており、役職に就く前の報酬からすると約2倍になります。

参考:総務省 平成30年地方公務員給与実態調査

役職に就き給料が上がる分、今までとは比べ物にならないほど責任が重くなることは国会議員、地方議員ともに念頭に置かなければいけません。