作曲家の給料・年収

企業に所属するか委託契約かフリーランスか

企業に所属

作家事務所などに就職する作曲家の場合、月給制なので安定した生活を送ることができます。ただし、印税契約ではないので、大ヒットを出しても月給は変わりません。

印税収入はなく、普通の会社員と同じように、あくまでも収入は企業から得ることになります。

製作会社と契約

作曲家は、音楽制作会社や音楽出版社などと契約を結び、そこから仕事の発注を受けます。

契約の形式は、社員としての契約よりは、出来高制の支払いの委託契約のような形が多いので、決して安定した仕事とはいえません。

ヒット業界の場合、基本がコンペ(競作=コンテスト)での楽曲募集がメインですから、自分の作った曲が採用されて、ヒットし、印税が発生してからの収入となります。

当然、大きな収入の可能性もある反面、経済的には、非常に不安定となります。

CM作品や映画音楽(サウンドトラック)などの場合は、買い取りとして何曲作っていくらとなりますから、(印税と違って)収入の見込みも立ちます。

フリーランス

企業に属さないフリーランスの作曲家の場合、年収は完全に実力主義です。さまざまな楽曲コンペに参加しながら、生計を立てています。

才能があれば年収数千万を稼ぐことも可能です。何百万円も収入がある月もあれば、収入0円といった月もあります。

印税契約の仕組み

作曲家の仕事は多岐に渡ります。仕事の仕方によって、収入もさまざまなパターンにわかれます。

たとえば、アーティストへの楽曲提供の場合、その曲が大ヒットすれば、印税収入が驚くほど入ることもあります。

しかし、「買い取り」といって最初に作曲料を貰う方式での契約では、印税は入ってきません。つまり、最初の作曲料で著作権を相手側に渡して(譲渡して)しまうわけです。

もちろん、印税契約を選択しても、ヒットしなければ、印税が何千円のこともあります。買い取り額は、数万円から数十万円まで、作家の経歴などで大きな幅があります。

もし、定価1000円の2曲入りCDが1万枚売れたとします。

2曲とも同じ作曲家の作品の場合、約10万円が印税としてその作曲家に支払われます。1000枚しか売れなかったら、約1万円。厳しい数字ですね。

ただし、その曲がカラオケや放送、ダウンロード配信、楽譜出版、ライブハウス…などで使われれば、それだけ印税が入ってきますので、CD売上のみの収入というわけではありません。

印税の仕組み

さきほどの定価1000円の2曲入りCDが1万枚売れた例で説明します。

CDの印税は売上の6%を詞曲と出版社で分けます。

1000円のCDの場合、6%で60円ですが、50%が出版社に行くので詞曲で30円です。作詞と作曲が別だった場合、これを2で割ると1人あたり15円になります。

ですので、作曲した人の印税は、15円×1万枚で15万となります。

ですが、ここからジャスラックの手数料や税金などが引かれ、だいたい10万円ほどが手元に入る収入となります。

印税以外の収入も大切

印税だけで生活できている作曲家は本当に一握りです。プロとして作曲家をしている方は、CMの曲を作ったり劇伴といってドラマなどの楽曲提供、映画のサウンドトラック、ゲームのBGM制作など多くの仕事をしています。

たとえば、CM制作の場合、単価は、クライアントや知名度によっても違うのでハッキリした金額はありませんが、CM1本、最低でも数万円から10万円といわれています。

当然、実績のある作曲家の場合、この何十倍にもなることがあります。作曲家として売れっ子になれば、単価も上がり、発注も増えるので、年収も上がりますが体力と精神力が本当に必要となります。

このような仕事をされている方の平均年収は数十万円〜数千万円といわれています。なかなか仕事がこない、楽曲を提出しても採用されないといった新人作曲家は、かなり厳しい収入状況が続きます。

作曲家の副業

多くの作曲家は、ピアノが弾けたりギターが弾けたりします。そこで、プロシンガーのバックバンドで演奏する仕事を副業として持つ場合が多いです。

シンガーとの信頼関係やそのシンガーの所属会社とのパイプ(人間関係)も出来るので、そこから作曲の依頼が生れると可能性もあるのです。

また、音楽雑誌や音楽系の書籍を出している出版社から、楽譜を仕上げる仕事を請け負っている作家も多いです。

たとえば、アーティストの新曲を渡されて、それを耳コピ(聞き取り)して、メロディー譜に仕上げるような仕事です。

プロとして活動できるまでが大変

実力主義の業界である分、実力さえつければ年収は上がってきます。

しかし、活動を軌道に乗せるまではアルバイトなどの仕事をしながら、徐々に作曲での収入を増やしていくしかありません。

自分の名前が出せる仕事が継続的にできるようになってからも、膨大な数の曲を作ることは変わりませんし、クオリティも落とせません。

かなり有名になっても、現在はコンペ(競合)で勝ち残らねば採用されません。100曲作っても、すべてボツという状況も起こりうるのです。

もし、作曲家で生活をしていきたいのであれば、作曲能力だけではなく、体力・精神力も必要となるでしょう。