左官の道具

鏝(こて)にも種類がある

左官のメインの仕事である塗り壁に欠かせない道具が鏝(こて)です。

左官職人は練った材料を鏝板に受けてそこから鏝にとり、壁に塗りつけていきます。

一言で鏝といってもその大きさや形状、材質は多様であり用途や材料に応じて使い分けています。

たとえば塗り壁はいくつもの工程を経て完成に至りますが、途中使う鏝と仕上げに使う鏝は異なるのが普通です。

また、細かい部分を塗るときは専用の鏝を使います。角のない丸鏝はある程度の広さをムラなく塗り上げるのに適しており、剣先の鏝は角を塗るのに適しています。

塗り壁だけでなくタイル貼りやブロック・レンガ積みの際にも専用の鏝で作業しています。鏝こそ左官の命といっても過言ではないでしょう。

材料を練る時にも専用の道具がある

塗り壁の基本は材料を練ることですが、その時に使う道具にもさまざまな種類があり、練る材料に合わせて使い分けています。

基本的には練り鍬を使って手動で練りますが、これは重さがさまざまであり、軽いものの方が扱いやすいのは事実ですが、材料によっては重いものを使った方が早く仕上がることもあります。

大きさは鍬から鏝板に材料を取り上げるため小型のものが主流のようです。

現在では作業能率増進と省力化の観点から鍬に代わり戦後開発されたミキサーが使われることも増えています。

練り桶にも木、プラスチック、ステンレス製かあり、プラスチックのものは軽くて運搬しやすいのですがミキサーを使って練り上げる際、傷がつきやすいので、ステンレス製が使われることがほとんどです。

左官道具も機械化が進む

前述のミキサーの台頭により作業効率は大幅にアップしましたが、左官界の機械化の波はこれだけにとどまりません。

圧送ポンプと呼ばれる機械は2階以上の高いところや、材料を練っている場所から少し離れた場所へ、材料を機械力で搬送することができる工具であり、少人数での作業の際に重宝しています。

トロウェルと呼ばれる機械はいわゆる電動の仕上げ鏝。

広い床面や壁面の仕上げに便利で、手持ち式の他、騎乗型も市販されています。

もちろん左官技術の基本は手作業であるため完全に機械化することはありませんが、状況に応じてこれらの機器を使用することで作業効率を上げ、工期を短縮することも可能になるのです。