左官の独立・開業

一人親方のメリット・デメリットとは

左官を含む職人と呼ばれる職業は一人前として認められるまでに長い時間がかかります。

見習いの間は雑務を滞りなくこなしながら自身の技術の習得のための努力をする必要もあるため、心身共にとてもハードです。

このような日々を前向きに乗り切るために将来独立することを目標に据えることは効果的であるといえます。

自身の技術だけを頼りに生計を立てていくことはすべての職人にとって大きな夢であることでしょう。

左官職人としての独立は要件さえクリアすれば比較的容易にでき、成功することは努力次第で十分に可能ではあります。

しかしながら、一人親方としてやっていくためには一定以上の技術力に加えて、仕事を得るための営業力が必要になってきます。

これが独立後の最大のネックであると考えていいでしょう。結果、せっかく独り立ちしても程なくして廃業してしまう職人も少なくないのが現状です。

こうした観点から、勤務先で地位を上げ、現場監督を目指そうとする職人もいます。

この場合、雇われの立場であることは否めないものの、組織の中で存分に持ち味を発揮することができます。

独立を考える際は自身の適性をよく見極め、職人としての道をどのようにまっとうすべきか判断しなければならないでしょう。

営業だけでは不十分

独立後まず悩むことは仕事を取ることでしょう。

独立前は毎日出勤すれば仕事があるのが当たり前だったかもしれません。しかしそれは親方が長い時間をかけて培った信頼関係の賜物であったことに気付かされるでしょう。

実績もない開業したての業者にコンスタントに仕事がくるなどという甘い世界ではないのです。

仕事を得るためにはまず、積極的な営業活動が必要不可欠ですがそれだけでは単発の仕事は得られてもリピーターはつきません。

継続してお付き合いのできる顧客を増やすためにはまず、頂いた仕事を確実にこなすことです。当たり前のことではありますが、これに勝る信頼を得る方法はありません。

というのも開業したての時はつい営業活動に必死になってしまい、一度に多くの案件を抱えてしまいがちな傾向にあります。

結果、一つひとつの仕事が疎かになり、せっかく得た顧客の満足を得られず、気付いたときには仕事がないという悪循環に陥ってしまうこともあります。

このような事態を防ぐためにも、自身のキャパシティと相談し、一つひとつの仕事が最高の出来になるように心がけなければなりません。

はじめは収入面で苦労するかもしれませんが長い目で見た時に良い結果をもたらすことは間違いありません。

お客さんはここを見ている

独立するということは営業から実際の作業、経理や事務などのすべてを自分の責任のもと行わなければならないということです。

中でもお客さんが一番見ているのはもちろん、実際の普段の仕事ぶりです。

技術力はもとより、仕事前の整理整頓、養生をきちんとしているかどうか、仕事中に足をかけてはいけないところにかけていないかどうかなど、所作の一つひとつがお客さんの判断材料になります。

また、他の職人から合同作業の依頼を受けることもありますが、そういった場合は道具等を大事にしているかどうか、作業着の着こなしはきちんとしているかどうかなど同業者ならではの観点で仕事の評価が決まります。

たしかに愛想がいいかどうか、説明が分かりやすいかどうかなどという判断基準もありますが、やはり、一番のポイントは誠実な仕事をする職人かどうかになってくるでしょう。

その結果としてお客さんの満足度が決まり、次の仕事にもつながります。