細胞検査士になるには

細胞検査士試験に合格する

細胞検査士は国家資格ではなく、「公益社団法人 日本臨床細胞学会」が認定する資格です。

細胞検査士の資格を取得するには、認定試験に合格する必要があります。

ただし、この試験には受験資格があるため、以下のうちどちらかを満たさなくてはなりません。

受験資格

(1)厚生労働省が認定する「臨床検査技師」あるいは「衛生検査技師」の国家資格を取得したうえで、細胞診検査の実務経験が1年以上あること。
(※ただし、現在、衛生検査技師試験は実施されていません)

(2)細胞検査士養成所または養成コースのある大学の卒業生および卒業見込み者であること。

臨床検査技師の国家資格は、臨床検査技師養成コースのある大学、短期大学、専門学校を卒業して国家試験に合格することで取得できます。

臨床検査技師になるには

細胞検査士養成コースのある大学・養成所の一覧は、下記のページをご参照ください。

細胞検査士養成コースのある大学・養成所

国際細胞検査士にもなれる

細胞検査士認定試験に合格すると、「国際細胞検査士認定試験」の受験資格が与えられます。

国際細胞検査士とは日本国外で細胞検査士として活躍するために必要な資格であり、認定試験は2年に1回東京で実施されています。

国際細胞検査士資格を取得すると、海外のさまざまな国でも細胞検査士として働けます。

細胞検査士になるまでのルート

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細胞検査士になるための学校(大学、養成所)について

細胞検査士になるには、細胞検査士の認定資格を取得する必要があります。

そして、細胞検査士になるための学校は、細胞検査士認定試験の受験資格を得るための方法ごとに、いくつかの種類に分けられます。

ここでは、それぞれについてご紹介しましょう。

臨床検査技師から実務経験を積む

1つ目は、臨床検査技師の国家資格を取得し、さらに病院や検査センターなどで細胞診検査の実務に1年以上従事することによって、細胞検査士認定試験の受験資格を得る方法です。

臨床検査技師国家試験にも受験資格があり、それはおもに大学の医療系学部、臨床検査技師養成課程のある3年制の短大および3年制の専門学校で学び、所定の課程を修了することで得られます。

なお、臨床検査技師がステップアップして細胞検査士になるケースは多く、求人でも臨床検査技師の国家資格は必須としているものがよく見受けられます。

したがって、このパターンで細胞検査士になるのが一般的となっているようです。

細胞検査士養成所で学ぶ

2つ目は、細胞検査士養成所という施設で学ぶ方法です。

細胞検査士養成所は「癌研究会有明病院付設 細胞検査士養成所」と「東京都多摩がん検診センター 細胞検査士養成所」の2箇所が存在していますが、ここには臨床検査技師もしくは衛生検査技師の国家資格を持つ人だけが通えます。

養成所では細胞検査に関する学びを中心に行っていくことになり、病院などで働きながらこの養成所で細胞検査士資格取得を目指す人が多いようです。

細胞検査士養成コースのある大学で学ぶ

3つ目は、細胞検査士養成コースのある大学で学ぶ方法です。

医学部や保健学部が中心となっていますが、全国的にも数はさほど多くありません。

細胞検査士養成所や養成コースのある大学の一覧については、下記のリンク先をご確認ください。

細胞検査士養成所、細胞検査士養成コースのある大学一覧

細胞検査士試験の難易度、合格率

過去の合格率は?

細胞検査士試験は、一次試験が筆記試験、細胞像試験、二次試験がスクリーニング試験、同定試験、標本作製実技試験となっており、そのどちらにも合格することで資格を得ることができます。

合格率は年によって多少前後していますが、一次試験、二次試験それぞれ50%程度となっており、最終合格率は約25%~30%とされています。

なお、一次試験にのみ合格して二次試験に不合格であった人は、翌年の試験で一次試験の受験が免除されるため、2年間かけて資格を取得する人もいます。

難易度はどれくらい?

細胞検査士試験は受験資格があり、まったく専門的な勉強をしていない人が受験することは不可能です。

臨床検査技師としての実務経験を持っている人、あるいは大学の細胞検査士養成コースなどで学んでいる人が受験する資格試験ということを考えると、難易度はやや高めといえるでしょう。

ただし、細胞検査士養成コースを置く大学のなかには、試験合格のためのカリキュラムに力を入れており、毎年100%に近い合格率を誇っているところもあるようです。

細胞検査士試験では専門的な内容が問われ、決して易しいものとはいえないため、どのような学校で勉強すべきか、各学校の特徴などをよく見比べながら検討したほうがよいでしょう。

定期的な更新も必要

細胞検査士の資格は、一度取得したら生涯有効なものとは異なり、5年ごとの更新(2022年より)が必要なものとなっています。

そのため、更新を希望する場合には、期間中に実務および学会、セミナー、ワークショップ、研修会に参加して所定の単位を得なくてはなりません。

その理由としては、細胞検査士は、がんの早期発見や正確な判定を行うための知識や技術を証明するための資格であり、つねに新しい知見を得て高い細胞判定能力を維持する必要があると考えられているからとされています。

試験合格後にも継続的な勉強が必要な点を考えても、細胞検査士は専門性の高い資格と位置付けられているといえるでしょう。

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就職状況は厳しい

細胞検査士を目指す人は、まず臨床検査技師資格を得て検査センターや大学病院などに就職し、1年以上の細胞診に関わる実務経験を積んで細胞検査士試験を受けるケースが多いようです。

また、保健所、製薬会社、臨床検査薬メーカーなども就職先となります。

ただし、臨床検査技師、細胞検査士ともに、就職は厳しい状況といわれています。

細胞検査士の資格は難関とされますが、それを生かせる場所は限られているため、せっかく資格を取得しても希望するタイミングでよい就職先が見つからない可能性もあります。

女性の細胞検査士は活躍できる?

女性の認定者も多くいる

細胞検査士は、もちろん性別問わず働くことができる仕事ですが、全体の資格認定者のうち、女性の割合は半数以上を占めているといわれています。

つまり、細胞検査士は、女性がとくに活躍しやすい仕事ということができるでしょう。

人の健康に関わっていくこと、また医療業界の専門職としてがんの早期発見という重要な役割を担うことができるため、「誰かの役に立ちたい」という気持ちが強い女性にとっては、日々やりがいを持って働くことができるでしょう。

パートなどの働き方もできる

細胞検査士は、大学病院や検査センターを中心に活躍しています。

そこでは正社員としての働き方もできますし、契約社員やパートなど、非正規雇用で働く人もたくさんいます。

働く女性にとってしばしば心配の種となるのが、結婚や出産後も仕事を続けていけるかどうかということですが、細胞検査士はパートなどの求人も多数出ているため、家庭と仕事を無理のない形で両立させている人も大勢いるようです。

また、出産などのタイミングで一度は現場を離れたとしても、細胞検査士の資格を生かして復職しやすいというメリットもあります。

誰もが簡単に取得できる資格ではないことから、資格を持っていることの強みを存分に生かすことができるでしょう。

女性がキャリアを築いていくにあたって

細胞検査士は、顕微鏡を使って、採取された細胞の標本の状態を確認することがおもな仕事内容となります。

もちろん、医療に関わる専門知識の習得は必要不可欠ですが、力仕事ではないため、女性でも体力面でのハンデを感じることなく働くことができるでしょう。

実際には、臨床検査技師の国家資格を取得した人がキャリアアップを目指す過程で細胞検査士を取得するケースが多くなっています。

検査の仕事に興味があり、医療業界で長く貢献していきたいという思るのなら、ぜひ目指してみるとよいでしょう。

細胞検査士の需要、求人募集の状況

採用人数はあまり多くない

細胞検査士の認定資格は、まったく専門的な勉強をしたことがない人や、実務経験のない人などが取得できない専門的な資格として位置づけられているため、有資格者は多くの病院などで歓迎されます。

実際、病院や検査センターなどの求人募集記事を見ても、「細胞検査士認定資格者」を応募資格として掲げているものが多くあります。

さらに、病理・細胞診検査および細胞診検査実務経験者はとくに歓迎されます。

経験とスキルがあれば、年齢は不問としている求人も見受けられます。

ただし、大手の病院でも採用人数はそこまで多いわけではありません。

新卒の就職活動は厳しいものとなることを覚悟しておいたほうがよいでしょう。

即戦力になれる人を採用する中途採用も積極的に行われていますが、その倍率も高くなりがちです。

臨床検査技師の求人もチェック

細胞検査士の多くは、臨床検査技師の国家資格を持ったうえで、さらなるステップアップの一環で細胞検査士の資格を取得しています。

そのため「臨床検査技師」としての募集でありながら、「細胞検査士の有資格者であること」を応募条件としている求人もあります。

臨床検査技師の就職状況も厳しいものとなっていますが、そちらもチェックしてみるとよいでしょう。

パートタイムの求人もある

細胞検査士は、正社員や常勤として働くだけでなく、パートタイムの求人もよく出ています。

パート勤務の場合は、勤務先との相談のうえ勤務時間が決定され、子育てをしながらスキルを生かして1日に数時間だけ働くといった女性もいます。

給料は、時給あるいは出来高払いとなるのが一般的です。

パートの場合、正規雇用に比べると給料や待遇面では劣ることがありますが、通常は夜勤が発生する職場でも、パートであれば日中の勤務だけをすることができるなど、ライフスタイルに応じた働き方がしやすいところはメリットといえるでしょう。