裁判官の階級、出世

裁判官の種類

裁判官には、

・最高裁長官
・最高裁判事
・高裁長官
・判事
・判事補
・簡裁判事

の6種類があります。

その定員は最高裁長官、最高裁判事、高裁長官を除き、判事1,415名、判事補805名、簡裁判事806名、合計3,026名となっています。

裁判官として任官されてから10年未満は「判事補」となります。

判事補は、3人の裁判官による合議事件に加わることができますが、裁判長となることはできず、単独で審理することはできません。
(判事補経験が5年以上となると、「特例判事補」となって判事補としての職権制限を受けなくなり、単独で審理できるようになります。)

裁判官としてのキャリアが10年以上となり、任命されると「判事」となり、裁判長を務めることが可能になります。

裁判官のキャリアフロー

キャリアフローとしては、地方裁判所や家庭裁判所の合議事件の右陪席と同時に単独事件を担当し、また高等裁判所の左陪席、地方・家庭裁判所の中小規模支部の支部長等として勤めるのが一般的となっています。

判事任命後10年目前後からは、人によっては地方・家庭裁判所の取りまとめ役であり、合議体の裁判長である「部総括」に指名されることもあります。

そして20年経過後くらいから、出世する人は所長への任命も行われています。

地方裁判所や家庭裁判所の所長になり、さらに出世する人は高等裁判所長官となる人もでてきます。

高等裁判所部総括へは所長経験のある人がほとんどとなっています。

ポストの格付け

高等裁判所長官のポストは8つあり、法的には同格であるとされるものの、東京高等裁判所長官については他の長官よりも給料が高く設定されています。

東京と大阪は上位、名古屋、広島、福岡は中位、仙台、札幌、高松は下位といった事実上の格付けがされています。

また、最高裁判所長官に到達するのは非常に限られたスーパーエリートであり、そのほとんどが東京大学や京都大学卒業後、東京高等裁判所管内の地家裁所長や甲府地家裁所長、事務総長や司法研修所長、首席調査官といったポストを経るという出世コースが暗黙の了解となっているようです。

裁判官の人事評価制度

国家公務員の一般職の場合、国家公務員法に基づく勤務評定制度がありますが、裁判官については,法令に基づく制度としての勤務評定制度はありません。

そのため、全裁判官の評価を行うための共通の評価基準というようなものはなく、評価の開示や不服申立の制度もないことから、自分の何が悪くて出世が遅れているのかがわからないなど人事について不透明感や不信感を抱くケースもあるようです。

また、平成10年までは、人事評価を行うにあたり参考とされていた書類には、事件処理能力(正確性、速度、法廷の処理)や指導能力(職員に対する指導,部の総括者としての適否)、法律知識及び教養や健康、人物性格の特徴、総合判定という項目を設けた書式が用いられていました。

それらの評価形式では視点が固定的になりがちで人物像がわかりにくいといった理由から、平成16年4月から、裁判官の人事評価に関する規則に基づき、自由記載欄としてより具体的に評価する新しい人事評価制度が実施されています。

国民に求められる優れた裁判官を育成、適材配置するためにも人事評価は必要とされており、裁判官という特別な職種をどのように評価していくかは引き続き課題として取り組まれています。