すべての人が同じ考えでなくてもよい
作業療法士として働いていると、どうしても「こうでなければいけない」「こうしなければいけない」という特定の考え方に捉われてしまうことがあります。
しかし、決してそこまで何かに縛られる必要はなく、基礎をしっかりと身につけたうえであれば、自分流の作業療法を追求することも間違いではありません。
すべての人が同じ考え方をしていたら、作業療法士としての個性がなくなってしまう可能性もあります。
そして、同じ作業療法士でも一人ひとり個性や考え方が違うからこそ、多様な角度から患者さんや支援を必要としている人たちの力になることができるという面も大いにあります。
専門家として働いていると、どうしても頭が固くなってしまいがちですが、柔軟性を忘れることなく、新しい可能性を見つけるために活動してくことは、作業療法士としての幅を広げるためにも大切なことだと思います。
他の人の意見をしっかりと聞く
すべての人が同じ意見でなくてもよいと言いましたが、同時に忘れてはならないのは、人の意見をしっかりと聞くことです。
自分流のやり方を追求し始めると、どうしても他の人の意見を否定的に見てしまったり、耳を傾けなくなってしまったりすることがあります。
そうなってくると、ただの頑固な人や自分勝手な人になり、逆に作業療法士としての幅をどんどん狭めることにもなりかねません。
人の意見を最後までしっかりと聞き、一度自分の中で咀嚼することはとても重要です。
専門家は強すぎるプライドを持っている人も多いため、「人の意見を聞く」という基本的なことができない場合が多いです。
自分自身の意見や価値観を持つことは大切ですが、人から学べることもたくさんあるということを忘れないようにしたいものです。
一人ひとりの患者さんと真剣に向き合う
作業療法士にとって、医学の基礎知識は絶対に持っておくべきものです。当然、作業療法士の養成学校でも必要な知識はしっかりと叩き込まれます。
しかし、現場で実際に目の当たりにする患者さんは、一人ひとり体調も状態も異なり、勉強してきたパターンに当てはめられないことのほうが多いくらいです。
そのときに、どう対応していくかは自分が考えていかなくてはなりません。
最初は何をすればよいのかわからなかったり、学校で学んだことが通用しないと感じることもあるかもしれませんが、一人ひとりの患者さんと真剣に向き合うなかで、次第にそれがわかるようになるものです。
「患者さんをよく見る」ということは、作業療法士にとって最も大切なことだといえるかもしれません。