労働者の権利を守る仕事
労働監督官は、自分の管轄内の事業所(企業)が、労働に関する法律の基準を守り、適切な労働環境の運営を行っているのかをチェックしています。また、労働者の権利を保護するための業務を行っています。
たとえば、「給料を払ってもらえない」、「不当な理由で突然解雇された」、「残業をしても残業代が支払われないなど」、といった問題が起こる場合があります。
そういった場合には、労働基準監督官は法律で定められた労働者の権利を守るために、労働者の立場に立って、相手方の事業者を監督し、適切な運営が行われるように指導を行います。
また労働基準監督官は、司法警察官としての職務も行うため、労働法令の違反者を逮捕し、送検する権限も持っています。
労働災害が起こった場合には、実際に災害現場に行くこともあります。
近年の経済不況の影響もあり、労使間トラブルは増えており、労働基準監督官の業務も増える傾向にあります。
労働基準監督官の仕事の流れ
労働基準監督官は国家公務員であり、他の公務員と同様に8時30から17時までが基本的な勤務時間となっています。
通常業務は主に、
・事業所が、労働関連法令で定められた基準を満たした労働環境で運営しているのかどうかの監督と指導
・労使問題を抱える労働者からの相談へ対応すること
・労働災害が起きた場合に現場に事実確認を調査に行くこと
などがあげられます。
業務上、事業所や現場に出かけることが多く、外出の多い職種といえるでしょう。
一方で、内勤の場合は、事実確認書類など多くの書類を作成する必要があり、事務処理業務も多い仕事でもあります。
労働基準監督官の勤務先
労働基準監督官の勤務先は、全国に配置されている労働局、労働基準監督署となります。
それぞれの拠点ごとに業務内容は異なりますが、どちらに勤務した場合でも、労働基準法、労働安全衛生法に関連する業務を行います。
業務上、職員と地域企業との癒着を防ぐことが重要なため、数年に一度の頻度で転勤が命じられます。そのため、転勤をしたくない人、できない人にとっては難しい職業であるといえるでしょう。