理容師の仕事で大切にしていること (体験談)

憧れの先生との出会い

私にとって大きな出来事となったのが、専門学校時代のある先生との出会いでした。

私が通っていた理美容専門学校には「カリスマ理容師」と呼ばれる先生がいて、いつの間にか私もその先生の後を追うようになっていました。

その方はコンテストでの優勝経験があったり、有名な理美容用品の開発メーカーとのコラボレーションなども手がけていたりして、理容室はつねに予約のお客様でいっぱいでした。とにかくカッコよかったです。

私も、その先生の店に念願だった実習生としての入店が許され、卒業後も残って働かせてもらっています。

大切にしている言葉

先生がよく店のスタッフに伝えているモットーは、「丁寧」「真心」「挨拶」という3つのキーワードです。

私は最初の頃、技術も一流で、周りの人も認めるほどのカッコいい先生が、ずいぶんと地味で平凡なことを言ってるなと思っていました。

しかしあるとき先生が、閉店後のミーティングでこんな話を聞かせてくれました。

「丁寧には3つの意味がある、親に対して丁寧に、自分や仲間に対して丁寧に、お客さまに対して丁寧に」といった内容でした。

そして、「この3つの丁寧は川の流れのようにつながっている。自分を産んでくれた親に丁寧な気持ちで接することができない人間は、自分にも周囲にも、そしてお客さまにも丁寧に接することができない」という話もしてくれました。

私はこれを聞いたとき、浅い受け取り方しかできていなかった自分に、とても恥ずかしさを覚えました。

理容師として何をすべきかを考え続ける

この出来事以来、お店のモットーの意味を一つひとつ自分で考え、自分で「そうだ」と気づいたことは即実践に移すようにしています。

プロの理容師としてお客さまの前に立つ以上、技術はあって当たり前だということも、最近になって本当にわかってきました。

そして、サービス業である理容師は、お客さまに対して確かな技術を提供すること、そしてお客さまに満足していただくために何ができるかを考え続ける姿勢が何よりも大事であるのだと感じています。