臨床心理士は国家資格になる?

「臨床心理士」自体は民間資格のまま

日本には、心理系の民間資格がいくつも存在する状態となっており、そのうち最も社会的な評価が高いとされるのが「臨床心理士」です。

臨床心理士資格は、取得のために指定大学院といわれる学校を出なくてはならないなど、比較的ハードルが高く、専門的な勉強が求められます。

しかし、民間資格であることから雇用形態や勤務条件など厳しい職場も多く、不安定な形で働いている人も多くいるとされています。

また、心の問題を抱える人が増えている現代社会において、公的に認める心理学の専門職として国家資格を制定するべきという声が強くなっていました。

そのような背景の下で、日本の臨床心理分野において、初めて国家資格が作られることが決定しました。

それが「公認心理師」という資格です。

公認心理師の誕生によって、臨床心理士資格との役割や立ち位置の違いはさまざまなところで議論されていますが、臨床心理士という資格そのものは、今後も民間資格として残っていくことが決まっています。

国家資格「公認心理師」について

公認心理師は、2015年9月16日に公布された「公認心理師法」に基づく国家資格です。

業務内容としては、これまで民間資格である臨床心理士や心理カウンセラーが行ってきた業務全体をカバーするものとなっており、医療や福祉、教育、産業など、さまざまな領域で活躍が見込まれます。

公認心理師の国家試験の受験資格は、以下の3パターンがあります。

1. 大学および大学院で、心理学その他の公認心理師となるために必要な科目を修了した者、またはそれに準ずる者

2. 大学で心理学その他の公認心理師となるために必要な科目を修めて卒業した者、またはそれに準ずる者で、一定の施設において心理に関する支援の業務に従事した者

3. 上記2つに掲げる者と同等以上の知識・技能を有する者

公認心理師の資格試験実施スタートは、早くて2018年実施の予定となっています。

臨床心理士との違いは?

公認心理師が本格的にスタートすると、臨床心理士と公認心理師のいずれか、あるいは両方の資格を持つ人が、心理職のプロフェッショナルとして現場に出ることになります。

単純に見れば、国家資格である公認心理師のほうが立場が上といえそうですが、現段階での認知度は、歴史のある臨床心理士のほうが高いといえるでしょう。

また、現状では、大学院卒が条件となる臨床心理士のほうが資格取得の難易度は高いという見方もあります。

ただし、活躍できる領域や業務範囲はかなり近しいところもあり、しばらくは両者が共存していく形になることが見込まれます。